ナチスを描かせたらドイツ映画に敵うわけない。そんな気持ちになる最近のドイツ映画。ドイツとイギリスとの合作だが、ヨーロッパ映画全体が熱い。ハリウッドの能天気な薄っぺらさも好きだけど笑、娯楽映画ならね。こういうシリアスなそれでいて複雑な、更に実話ベースなら、ヨーロッパ映画の繊細さに軍配は上がる、心打たれる。
元ドイツ兵からイギリスのプロサッカー選手になったバート・トラウトマンの実話を映画にした。こちら側からの描き方は滅多になく、どう感情移入させたら良いか戸惑う。彼の兵士になるまでの、それまでの人生を知りたかったが、そこは描かない。捕虜になってからだ。
バートにダフィット・クロス。『愛を読むひと』の好演が印象的だった。今回とは真逆の役どころだったのも面白い。当時は18歳にもなっていなかったのに、ケイト相手にラブシーンも頑張った。その彼も30歳近くなってからの今作。ぐっと大人になり体も一回り大きくなったような。
妻役はフレイア・メイヴァー。可愛いがソバカスが多く気になった。
憎たらしいイギリスの軍曹はハリー・メリング。ハリポタでお馴染み。この顔は一度観たら忘れられない。まだ32歳だって。
偏見と差別の中でサッカー選手として成長する姿を、戦争中の辛い記憶を織り交ぜながら描く。捕虜になってもプライドを持っている彼の頑固さにも驚くが、自暴自棄にもなるだろう。心に秘めた悔恨の記憶、家族との絆、キーパーとしての決意。様々な出来事を通して投げかけてくる、戦争と罪と、差別と、そして家族の大切さ。
主人公が魅力的。2時間、グイグイ引っ張られる。展開も描写も上手く、周囲の人たちも個性的に描かれている。バートをキーパーにしたジョン・ヘンショウ、ミッキー・コリンズが渋くて良いオッサンで主人公を引き立てている。
ラストは感動して泣ける。良い作品!
※ただ、実話とはいえ脚色もあり、鑑賞後すぐにWikipedia読む私は涙が半分消えた!私生活だから関係ない?いえいえここは大切なこと。ラストのテロップ、嘘を書いてはいないけど誤解を生む書き方!その後を正直に書くか、いっそ何も書かないか。どちらかにしたら良かったなあ。余韻を台無しにした、その分マイナス0.2。
※おやつはチョコレートショップで購入のチョコケーキ。土台はタルトで滑らかなクリーム、まったりと美味しい!ホットミルクと。
※夕飯はカツオのたたき、肉じゃが、たらこの子和えこんにゃく。私は昼に中華食べ過ぎてケーキも食べて、夕飯入らず。