ぼぶ

ファルコンのぼぶのレビュー・感想・評価

ファルコン(1999年製作の映画)
3.7
シュボっとタバコに火が灯って、語り始められるマフィアの内側。
シチリアの美しい街並みや風景が内包していたマフィアと、最後まで正面から立ち向かい、そしてその構図を“永遠”に変えた検事の男たちの話。

ガンガン同僚は暗殺されていくし、検察や政治家など内側にも敵はいるし、裁判に持ち込んだものの後に覆されたりするしで、展開はある程度読めてしまうのと、愛するが故に自分は危険だから身を引くみたいなスタンスが使い古された感、ちょっと映像編集甘い感などはあるが、実際に基づいたお話と聞くと、それらも納得がいく(映像は関係ないけど。笑

ただ、色んなマフィアモノを観てきた故か、こういったもので難しいのが、一概に
マフィア→悪、政府や警察や検事→善
というように、大きく二分出来るものではないという点。
もちろん暴力や脅迫で言うこときかせるのは悪だけど、それだからこそ世が回っていたというような、必要悪的な存在でもあったかもしれない。
政治も腐敗してたかもしれないけど、その一方で恩恵を受けてた弱者もいるかもしれない。
マフィアにはマフィアの事情もあるかもしれないのだ。もちろん擁護するわけじゃなく、単なる二項対立では見れないから難しいよね、ということなのだが。


とはいえ、もう女は懲りたって言ったよな?って言って笑い合う2人が最高だった。
何にも言わなくても伝わる友情、実際の写真からも滲み出ていて、すごく良かった。

間違いなく、彼らのおかげで今のシチリアがあるのだろう。
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