10000lyfh

ローリング・サンダー・レヴュー マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説の10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.0
ボブ・ディラン 1975年の伝説的なコンサート・キャラヴァン「ローリング・サンダー・レヴュー」を,当時の映像,本人を含む存命のミュージシャン・関係者の現在からの回顧インタビュー,そして架空の人物のインタビューも含め再構成したモキュメンタリ.ディランらにウザがられながら追っかけ回して当時の映像を撮ったという架空のフィルムメーカーを設定し,現在のインタビューでもあることないこと織り交ぜている.その意図は,現在のディランやミュージシャンらの過去の偉業に対するプロコンある思いを尊重し,脚色や再構築を許容し,1975年という過去を精確に記録するよりも 2010年代の現在でも生き続けている音楽として生命を吹き込もうとしたということだと思う.なんであれ題材を通して当時 1970年代アメリカの政治・社会問題を浮彫りにするのはいつものスコちゃん.音楽的ライヴ的には時代感も楽しめどれも素晴らしいが,特に,冤罪で投獄されていた黒人ボクサーの釈放を訴え,ヴァイオリンのインプロも圧巻の ‘Hurricane’ がよかった
10000lyfh

10000lyfh