たりほssk

見えない太陽のたりほsskのネタバレレビュー・内容・結末

見えない太陽(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても良かった。なぜ日本未公開なんでしょう?多くの人に見てもらいたい作品でした。
特に感じたのは、祖母と孫の心の葛藤がよく描かれていることでした。孫を心配するミュリエルの苦悩がとてもリアルでした。カトリーヌ・ドヌーブがすばらしかったです。
アレックスは母を亡くし父とはうまくいかず、試験にも落ちて、これからの人生に悩んでいるようでした。自分のエネルギーをどこに向けていいのかわからないようなアレックスは、イスラム教の教理もよくわかっていなくて、衝動的で不安定で、危ない感じでした。そしてそんな孫に疎まれながらも心配し続けるミュリエル。しかし、二人の絆はやはりしっかりあったのだと思う。ミュリエルがアレックスを閉じ込めるあたりは、子供のお仕置きみたいだったし、ミュリエルのお金を盗むのもどこか甘えてる感があった。アレックスは無自覚でも、きっとミュリエルと牧場を心の拠り所にしているのだと感じました。
そしてこの作品ではISやテロについて、他人事ではいられない状況になってきていることを発信しています。こんな風に自分の身近に、自分の家族にこの問題が入り込んできたら……と思うと背筋が寒くなります。ミュリエルがこの苦難を乗り越えて幸せになってほしい!
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