100日チャレンジとか、某インフルエンサーの今日の積み上げハッシュタグとか。
日々漫然と過ごすことなく、成長、前進することがよしとされる。
でも、1日をただ大切に生きるだけで、十分尊いのではないか。前進を求めるがあまり、日々の繰り返しがぞんざいになってはいないか。
そのようなことを思わせてくれる映画だった。
主人公の行助についての情報がほとんど語られないのがいい。足を引きずって歩く理由すら作中では語られない(小説では先天的な麻痺があり松葉杖を使う設定らしい)
背景をうるさく語る映画はあまり好きじゃない。映されている光景に、いろんな意味付与をされると集中できなくなるから。
歩く映画は調子が大事だ。
流れ続ける音楽。
足を引きずる非律動的なリズム。
心地いい。
音楽と歩行がマッチしすぎていたら、
MVのようになっていただろう。
仲野太賀のたい焼きの食べ方が好きだ。
おそらく実際に食べているよりも大きく頬張っていて、ほんとうに美味しい鯛焼きなのだろう、と感じさせてくれる。
個人的に残念だったのは、
ヒロインの衛藤 美彩が美しくはあるのだけど、平坦に演じすぎていてあまり魅力的に映らなかったこと。
「新しい記憶を短期間しか留められない」という設定でだからこそ、短期間に込められた機微を感じたかった。