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リスペクトのyellowwhiteのネタバレレビュー・内容・結末

リスペクト(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

映画館で視聴、日本語字幕版

アレサ・フランクリンのことは映画「ブルース・ブラザーズ」に出ている人、くらいの知識しかない状態で視聴
第一印象はよく出来てるなーという印象、流れ的には映画「Ray/レイ」(レイ・チャールズの半生記)に近い

幼少期の父親の自宅が、さながらサロンというか、超大物ジャズ関係者で埋まっていてこれだけで心をつかまれた
戦前から活躍しているメンバーは、思い出せるだけでもデューク・エリントン(ピアノ)、エラ・フィッツジェラルド(ボーカル)など

小学生くらいの頃に、合意の有無は不明だが男性と性交し、妊娠してしまう
その時のシーンが、これ絶対に男はセックスしに来てるな…という流れがかなり丁寧にネチネチと描かれていたという印象
直接的な性交シーンは描かれないが、映画全体を通して「こんなに必要か?」となるキスシーンが数回あり、性交の比喩表現だろうと理解した

その直後、毎週末の教会へのお出かけの際に、ヘアースタイルをセットしないことを父方の祖母へ宣言するが、これが姦淫の罪の意識からか教会へ行かないことの意味であることは映画が終わってだいぶ経ってから理解した

序盤からここまででも父親の描写が多く、終盤にかけても家族がキーパーソンになることは珍しくないか、くらいに思っていたらほぼ映画中はほぼすべてのタイミングで父親の存在(影)が大きく、演じる俳優のフォレスト・ウィテカーのビッグネームな感じに納得、これはぽっと出のキャリアの人なら出演オファーがあってもOK出さないと思う

中盤のアトランティック・レコードへの移籍で、心機一転を図ってアラバマ州マッスル・ショールズのフェイム・スタジオで出会うスタジオミュージシャンの人たちが個性豊かでバンド練習や音楽サークルの合宿を思い出した

移籍を直接オファーしたアトランティック・レコードのやり手の人物の発言の1つ1つが小気味よい軽快さで、日本語に訳しても無理のない皮肉みたいなシーンはクスッとした

アメリカ公民権運動の主要なイベントを学習した人ならより楽しめそう
主要人物に教会関係者としてキング牧師(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)が出てくるが、観客は暗殺事件を知っているので、それがいつ起こるのかをじっと見守ることになる
公民権運動関連で、1人分からなかった、名前にAのつく、FBIに逮捕された人、わざわざアレサが記者会見をしてまで逮捕に抗議する理由がよく分からなかった
→アンジェラ・デイヴィスと判明
 女性活動家であり、アメリカで博士号を取得後にUCLAの助教授となり、複数回免職と復職を経験するなど、公民権運動により人生が大きく変化した人物

アルコール依存症の時の克服のシーンでは、既に死去している母親の幻影がアレサを優しく抱き込み、「アメージング・グレース」を歌い立ち直るという描写になっていた

「ブルース・ブラザーズ」のことは、エンディングでの過去の写真1枚のみ
これは残念、もうちょっと映画出演の経緯を長めにやると期待していた
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