コマミー

ミッドウェイのコマミーのレビュー・感想・評価

ミッドウェイ(2019年製作の映画)
3.5
【海上の激闘】


※久々に、エンタメらしい戦争映画を観た気がしますw


"ローランド・エメリッヒ"と言えば、マイケル・ベイと並ぶ「破壊王」として知られている。そして、ディザスター・パニック映画の有名な作品を挙げるとしたら、エメリッヒの作品を挙げることが多い。「インディペンデンス・デイ」ではエイリアンが来襲したり、「デイ・アフター・トゥモロー」ではアメリカを凍らせたり、「2012」では遂に地球の大陸という大陸をぶっ壊したりと、地球規模で破壊するのがエメリッヒである。
そんなエメリッヒでも、"ディザスター以外の作品"も作るときがある。影のシェイクスピアを描いた「もうひとりのシェイクスピア」やLGBTに厳しかった80年代を生きた若い男同士の恋愛を描く「ストーンウォール」なんかがある。

そしてまた一つ、しかも"日本を巻き込んだ"真の史劇を、エメリッヒが映像化した。

いわゆる「ミッドウェイ海戦」と言われる、太平洋戦争の命運を分けた歴史的大戦を映像化した作品だ。過去に映像化した作品では、三船敏郎が出演した「ミッドウェイ(1976)」や真珠湾攻撃をマイケル・ベイが映像化した「パールハーバー」がある。
そんな"米日"が、雌雄を分けた大戦を"ド迫力スケール"でエメリッヒが再び映像化したのだ。

少なくとも、マイケル・ベイの「パールハーバー」よりかは、ちゃんと最後まで観れるし、偽りもあまりなく、"日米双方の目線"で描いている所もなかなか良かった。しかも爆撃シーンなども、息が出来ないほどに"スケール抜群"で、抜かりがない。
だが、それでも日本が"一方的に悪者として描かれている点"が多く見受けられた。日米共に、"同じ目線"で描かれておれば、作品の価値ももう少し上がったかもしれない。

様々な意見が出るミッドウェイ海戦映画だと思う。しかし、一方的に悪者として描かれていた日本軍の映像の中で、辛うじて"人間的に描かれている点"も一つあった。それは実に日本人らしく、実に人間的なシーンであった。

エンタメ映画としては、とても楽しめる作品だと思うし、そうゆう点では、実に分かりやすく太平洋戦争の断片を学べる作品だ。

だからこそ、大きなスクリーンで、この作品を多くの方に、観てほしいなと思いました。
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