FutosiSaito

草間彌生∞INFINITYのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)
4.0
 「凄まじい天才」と、支援者が言うように、草間彌生こそ本当の天才なのだろう。世にいくらでもいる天才と呼ばれる人ではなく。
 このドキュメンタリーは、時系列で草間を捉え、数々の関係者や学者の証言から彼女の価値を説明してゆく。
 面白い。
 今では展覧会があると水玉もポップなので、若い女性をはじめ人気があるが、不遇の時代があったことも、男性中心のアート界の壁についても描いている。
 思えば30数年前、大学時代に新宿のオールナイトで「草間彌生の自己消滅」を観た。まだ「パフォーマンス」という言葉はなく「ハプニング」といっていた頃の映像で、ニューヨーク時代のものだった。
 びっくりした。なんだかわからないが、インパクトは凄かった。
 ケネス・アンガーの「ルシファーライジング」とジョン・ウォータースの「ピンクフラミンゴ」も観たが、負けず劣らずだった。
 
 凡庸な言いかたになるが、草間こそ「唯一無二」の存在だろう。
 病院とアトリエを行き来しつつも(平たく言えば病気なのに)、創作を続けたり、水玉やスカルプチュアはペニスへの克服だということなど、気取って上品なアートはではなくても支持され評価されているという意味でも。
 
 彼女の作品録としても、ひじょうに価値のある映画だった。
 圧倒される。
 
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