みーちゃん

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェストのみーちゃんのレビュー・感想・評価

4.8
あまりのカッコ良さに驚いた。私がこれまで観た西部劇とはテイストが違っていて、冒頭は、戸惑うくらいインパクトがあった。

どのカット、どの瞬間を切り取っても、完璧な構図。最小限のセリフ。無言のシーンや行間にも深い意味があり、心の声まで想像してしまう。無駄を削ぎ落とした、その先にある美学。

これが1968年作だなんて、本当に信じられない。斬新で超クールな最新作かと思う。と同時に、今ではもう絶対に作れないとも思う。

ハーモニカ、フランク、シャイアン(好き♡)それぞれの人物を、見事に描き上げるシークエンスの数々。しかし!それだけでは、点にしかならない。そこに、文字通り、駅のようなジルの存在や、モートンという変化球が加わって、全てが繋がり、ドラマが生まれる。

しかし!映像の力だけでは、壮大過ぎて、とても収拾がつかない。そこに、エンニオ・モリコーネの音楽が加わって、全てを包み、纏めてくれる。

このヘンリー・フォンダの目を見ていると、なぜか涙が出そうになる。