翼

映画ドラえもん のび太の新恐竜の翼のレビュー・感想・評価

3.7
恐竜は滅びるという宿命から鳥類に姿を変えて現代も生きているという解釈で結ぶあたり、小学館の恐竜倫理のガチさを感じる。
子を持って思うのは、ドラえもんは夢とか希望とかを超越した学習コンテンツであるということ。「空を飛びたい→タケコプター」は歌詞にも登場するほどの定番だが最近はこれで終わらない。「→何故これで空が飛べるの?→重力と空力というものがあるんだよ。それはね…」てな具合で子供たちの興味関心疑問を科学や歴史に紐付ける感じ。大人も学べるを地で行ってる。
本作は上記の恐竜倫理に加え、教育のなんたるかをのび太と恐竜の子を介して描く。飛べない翼竜は指示・命令・義務では育たず、子も親も挫折を味わう。行き詰まったのび太は、自身も「さかあがりができるようになる」という命題を背負い、共に成長するという選択をする。ジャイアンとスネ夫をぎゃふんと言わせるという動機が、親としての責任を自覚しこのコーチング理論に行き着く。それをミスチルBGMでってコレもう大人向けコンテンツだろ。

ドラえもんが道具でなんとかするという活劇ではなく、のび太の成長の補助的役割として道具が存在する感じが近代ドラえもんなんだな。
ジョジョでお馴染み(有)神風動画の作画と川村元気の脚本でまー豪華な仕上がり。連作とか無視して単作でいろんな人に観てほしいと思ったよ。
翼