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青葉家のテーブルのKKMXのレビュー・感想・評価

青葉家のテーブル(2021年製作の映画)
3.4
 YouTubeで配信されているウェブドラマの映画化。北欧オシャレ雑貨が好きな人向けの作品で、固定ファンが間違いなくいるシリーズです。
 北欧というとメタルか福祉国家というイメージしかなく、北欧オシャレ生活に無関心な自分が本作をわざわざ劇場で鑑賞した理由は、久保陽香のファンだからに他ならないです。

 ただ、予想はしてましたが予想以上にクボハルちゃんの出番は少なかった。残念極まりない。


 クボハルちゃんが暮らす青葉家は、一家のボス・ハルコさん、ハルコの息子リク、ハルコの友人クボハルちゃん、クボハルちゃんの彼氏という死ぬほど幸せな男ソラオの4人暮らし。そんな青葉家に、ハルコさんの旧友の娘・ユウコが美大受験の夏期講習のためにホームステイにやってくる、というストーリー。

 青葉家のテーブルは基本的にゲストの話に青葉家の面々が絡むというパターンなので、ドラマ版と基本の構造は変わりません。ただ、ドラマ版は20分前後の尺で1つの物語をグッと絞って語るので割とタイトで集中できますが、2時間弱の尺をユウコの話一本で行くには難しかった様子。ハルコさんとユウコの母トモヨの話とか、リクのバンドの話とかを絡めてました。なので、ドラマとは違って、どうしても散漫な印象は拭えません。
 ただ、本作はあくまでドラマの延長線上の作品であり、いわゆるファンムービーなのでこれくらいのクオリティでも文句は出ないと思われます。個人的にはユウコと予備校で知り合った友人ヨダちゃんの話をもっと詰めて欲しかったのですが、まぁこんなもんでいいんじゃないでしょうか。

 とはいえ、本シリーズに共通するテーマは、ありのままの自分を受け入れて他者の批判を恐れずに自分らしく生きる、というものなので、後味は爽やかでヤダ味はありません。これは本作が提唱するスローライフとリンクするテーマであり、丁寧に生きるということはごまかさずに生きることに通じるように感じます。
 また、ハルコさんとトモヨが昔に収録した自作のラジオ番組を黒歴史に身悶えながらも聴くシーンはなかなかよかったです。過去を振り返ることは、今いる立ち位置を再度確認することでもあり、初期衝動を再体験する重要な行為だなぁと最近思っていたので、タイムリーでした。


 そして、本シリーズ最大の売りは、出てくるごはんが最強に美味しそうであること!寝る前にYouTube版青葉家なんて観た日にゃヤバすぎますね!腹減って寝れないし、なんか食べるとまたも寝れないという事態に陥ります!
 もちろん映画版も同様で、出てくるメシがまぁ旨そうでタマリマセン。ソラオの作るタコスは白眉で、マジでタコス食べたくなる!しかもヘルシーなやつね。あと、一瞬出てくるクボハルちゃんが作った焼きそばもめちゃ旨そうだった。『見栄を張る』ではペヤングにチューブ入り生姜をインして食べてたから、クボハルちゃんは焼きそば女優だね。
 本作の中心に据えられた『はぁちゃんライス』なる天津飯みたいな料理は、正直青葉家史上最もパッとしない料理に思えましたが、鑑賞後しばらくするとはぁちゃんライスが思い浮かんで結局食べたくなるという始末。なんかあのタマゴの上にちょこんとのってる食べるラー油みたいなヤツがまたタマラン!青葉家のごはん洗脳力半端ない!


 個人的にはウェブドラマの第2シーズンを作って欲しいところ。なにせYouTubeで観れば、クボハルちゃん激カワシーンをリピートして観れますからね!「あっ、この一瞬鼻歌カマすクボハルちゃんキュートすぎ💕もう100回観よ〜っと💕」とかできますから。劇場だとクボハルリピートできない!
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