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喜劇 愛妻物語のnori8のレビュー・感想・評価

喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)
3.7
とにもかくにも
水川あさみが秀逸!

うだつの上がらない年収50万円の
脚本家の夫に濱田岳。
何かにつけてセックスに
持ち込もうとする煩悩の固まりに
うざい、消えて…と罵詈雑言の嵐。

テンポの良い会話劇に
笑いと痛みを交互に感じる。
我が家にも、ほぼ同キャラの
妻がいて他人事とは思えない…

そして、
あるキッカケから娘を交えた
家族3人のロードムービーが
始まるのだが…
念願のHという「天国」と
突然の脚本キャンセルという「地獄」が
待っていた。

その後、町をさまよった挙げ句に
妻がぶつける全力の怒りと
言葉にならない泣き笑い…

全力で感情をぶつけるその姿に
夫の才能を信じ家庭を支えてきた
“鬼嫁”のひたむきが爆発して
たまらなく愛しくなる。

全編を通じてダメ夫とドS妻の
ドタバタ喜劇なのだが、随所に
互いのシャイな愛情表現が
散りばめられていてジワジワ来る。

水川あさみは、役作りのため
わざと太って肉感的なボディーを
作ったそう。

強さと母性とセクシーさを
絶妙にシンクロさせた
“最恐妻”の魅力にハマる。

それらを前にすれば
もはや、どんな夫も濱田岳。
罵倒され支配されつつ
無償の愛により育てられるのだ。

エンドロールバックで
繰り広げられる
夫婦の絶妙なかけ合いが
ナチュラルおかし過ぎて
クスクスが止まらない。

恐妻家でないアナタも
ほっこり楽しめる良作だ。
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