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ハリエットのbs3のレビュー・感想・評価

ハリエット(2019年製作の映画)
3.8
自らが逃亡奴隷で、多くの奴隷を南部から北部に逃がした奴隷解放運動家である女性の物語。まさに実在のスーパーヒロイン。その超人的な活躍は驚異的。作品的には、特に歌唱シーンが素敵。エンドロールの音楽も心に染みる。今だから観るべき作品。
1849年、米国、メリーランド州。農場の黒人奴隷として労働を強いられているひとりの女性。自身の売却の噂を機に、自由を求めて、北に向かって脱走する。奴隷制が廃止されたペンシルバニア州を目指して…
「地下鉄道」と呼ばれる奴隷の逃亡のための地下組織については知ってはいたが、本作で描かれたその姿は思っていたよりもシステマティックではなかった。作品の主題的に個人の功績を描いているために、一個人の超人的活躍が強調されているだろうし、頭部への殴打による後遺症を超能力的に描いているのは、映画的演出と思われる。それでも、彼女の功績は色あせることはない。
本作品の秀逸なところは、魅力的な歌唱シーンである。ミュージカルのような唐突さはなく、必然的で意味のある歌唱はとても素晴らしい。そして、エンドロールの音楽は鳥肌モノ。とても引き込まれ、歌詞と本作の意味を噛み締めながら、上質の余韻を楽しめた。
今だからこそ、観るべき作品。
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