初っ端のウルトラQオマージュのタイトル演出からのシン・ゴジラ、シン・ウルトラマンの繋げ方で失神するかと思った。
僕はウルトラマン ティガ、コスモスをリアルタイムで見てた世代で、
成田亨デザインの初代ウルトラマンをちゃんとは見ていないし、メトロン星人がちゃぶ台に座ってるインパクトのある画はネットで見ちゃったクチ。
なのでマニア的な拘りのある感想は僕より詳しい方がしてくださってると思う(というか下手に口出しすると火傷すると思う)ので、
取り急ぎ僕の中で総括した感想を言うと、
「シン・ゴジラ」的なリアリティライン高めの会話劇的なストーリーテリングを期待していたけど、そういう作品ではなかったなというのがまず第一。
但し、元の「ウルトラマン」という作品を鑑みるとそれも当然っちゃ当然で、
そもそも「シン・ゴジラ」があれだけ社会風刺的な作劇で攻めたのは原作にあたる初代「ゴジラ」が痛烈な風刺劇だったからであって、それを現代解釈するにあたって、東日本大震災や政府のゴタゴタを描くに至った作品だと思ってます。
そういう意味では、本作品は紛う事なき「ウルトラマン」の現代解釈版に他ならない気がしました。
だから今作の明確なターゲット層はと言うと、「当時のウルトラマンを観て(読んで、感じて)育った"かつての少年たち"の、未だ育つことなく大切に護られている(良い意味で)未成熟な心」になるのかな。
ただ、個人的に映画オタク的ないちゃもんをつけさせてもらうと、
総監修もしてたし、エンドロールを見たら選曲・絵コンテ・撮影・編集その他諸々で庵野の名前が出張ってはいたんだけど、
オーバーだったりウェットなお芝居感とか、
カット割の「シン・ゴジラの同人作品」的な違和感とか、
ビッグ長澤まさみの実写版・進撃の巨人感とか、
あくまで"樋口真嗣監督作品"だったのかなぁ、というのが正直な感想でした。
もう少し、フラットな目線で描いてくれた方が個人的には好みだったかなと。
とは言いつつ、公開中にもう一回くらいは観に行きたいかな。
ちなみにシン・ゴジラは当時劇場に5度ほど観に行きました。笑
あと米津玄師の主題歌がめっちゃ良い。
海の幽霊以来のツボ。
とあるシーンで田村が口にする
「真に凄いことというのは、側から見たら滑稽に見えるのかもしれない」という台詞。
これ、実はこの作品自体を象徴したフレーズだと思います。
思えば、パシフィック・リムを撮った時のギレルモ・デル・トロも同じ様なことを言ってたな〜と思い出しました。
