いんげん

1917 命をかけた伝令のいんげんのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.5
公開当時話題になってたワンカット"風"戦争映画。もうAmazonプライム見放題に来ました。早いね。というわけで視聴。

いや凄い!迫力ありますねぇ。緊張感の持続がたまんないです。
カット割りがなくて一見リアルタイムな感じなのが、ずっとドキドキさせられる。開始3分で作戦を命じられて、戦友のトムが戦死するのが48分くらいだったかな?わずか1時間前は木陰に寝そべってバカなやり取りしてたのに、なんかこう戦争の怖さを見せつけられた感じがして衝撃的でした。まさしくワンカットの威力ですね。

しかし普通に行って6時間くらいの道のりって言ってた割には、到着めっちゃ早かったよね。途中、気失ってた時間もあるのに2時間かからず到着しとったね。車乗ったのも通算2分くらいやったし、あんまり進んでないよね?川に流された時に猛烈に進んだんかな。

しかしこのワンカット"風"の撮り方にリソース振りすぎた感じはするかなぁ。
特に物語にどんでん返しや衝撃シーンは無く淡々と進んでいくのは、狙ってたのかも知れんが、個人的には少し物足りなかった。

トムが戦死したあとに、今まで腰が引けてたスコフィールドくんが覚醒してやる気出しまくるのはなかなかいい展開だけど、もういっぱつアガるシーンが何か欲しかった。
前半ちょっと呑気な感じで敵の塹壕を進むのはいいんだけど、後半の覚醒してからもちょっと呑気な気がしたなぁ。もちろん表情は険しくなって決意も感じられる描写してるんだけど、敵地の真っ只中で道の真ん中を腰も落とさず歩いてたりするのちょっとイライラしたわ。
そこは体力の限界まで、ほふく前進させるとこやで!もっともっと前線に居る恐怖感が見たかったです。

やっと友軍の部隊に辿り着いて、大佐に将軍命令を伝えるあたりの場面はめっちゃ良いですね。
スコフィールドは命がけで来たけど、大佐からは「ご苦労」の一言もなし。この報われない感じ。たまんねえ。
でも大佐からしたら、今日の攻撃が中止になっただけ。来週なのか再来週なのか、また近いうちに部下を死地に追いやる命令が結局来るわけで。この悲哀たるや。
ズッシリきますね。

「命をかけた伝令」っていうサブタイトルが要らんかったわ。感動的なやつイメージしちゃうやん。
ちょっとエンタメ的な部分を期待して観ちゃったから少し物足りなかったけど、初めから骨太ズッシリ系として観てたらもっと高得点だったと思います。