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1917 命をかけた伝令のmfgのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「1917」

“1917年4月6日”

束の間のほのぼの

告げられる重大任務

待避壕から待避壕へ

流れるように過ぎ去っていくその他大勢のなんとも言えない虚無感…

死体を目印に…夜は悪臭を頼りに…進む

だいぶ雑な洗礼?を受け、地上部へ…
言わずもがな…地上部もまた地獄…
(焼土/爆撃により其処此処にできた沼/無惨に転がる馬の死骸…木の死骸…建物の死骸…人間の死骸…/群がる蝿/鉄条網/嫌な静けさ/)



独軍塹壕へ…

光は希望
辛い現状と運命に対する憎しみ

それでも前に進まなければならない…
ネズミ

この世的名誉としてのメダルなんて価値のないものだし…そんなものに命を懸けるなんて愚かだし…ワインと交換して正解かも…
(死んであの世に持って還ることができるのは心だけ!リボンが付いてても所詮ただのブリキ)





心痛む切られたチェリー
家族との思い出がより哀しみを誘う…

優しさ故に生じる悲劇

目の前で任務を共にした友人が死のうが悲しみを引きずっている暇などない辛さ(…しかしある意味救いでもある…?無情にも次々に展開していくことども…歩を止めてはならない…)

ただ一人往く

“行方不明の夜行バスへようこそ”

真の悲しみを経験した者と まだ経験してない者の差
(悲しみは人を強くする/まだふざける余裕がある者には得ることができない周りの者をも圧倒するような鬼気迫る強固な意志力 使命感/)



命のやりとり…銃撃戦…そして時に肉弾戦も…

心ある一般市民女性
(傷ついた兵士を手当し…匿い…/名前も母親も分からぬ赤ん坊を庇護し…/)
女性と赤ん坊にすべてを与えてやりたくなる心
食べ物…ミルク…“ふるいの舟”のお話…

留まることを懇願する女性の声を振り切り、また戦地へ…

走って走って…
川の激流に揉まれ…
滝壺へ…
流木にしがみつき…
桜吹雪…
桜吹雪と流木と土左衛門と…

皮肉なほど桜吹雪が美しすぎて…それに比して状況が辛すぎて…泣きたくなる…


哀愁漂うメロディの唄…ふるさとへの郷愁を感じさせるような歌詞…集ってそれを聴く兵士たち…

心神喪失 びしょ濡れ ボロボロ状態になりながらも、使命感だけで生きているような状態で…

目的とする部隊と奇跡的に合流

攻撃停止が果たされ…
…使命を果たすも達成感より虚しさ…?
“よくやった”と称賛してくれる者が一人でもいるだけ多少救い…?





もう一つの使命を果たすため…
友人の兄である中尉を捜して…

多数の負傷した兵士たち
奇跡的巡り合わせ
伝える方も伝えられる方も辛すぎる…



孤高に立つ立派な一本の木

その木にもたれかかり…愛する者の写真と“無事に戻って”のメッセージを眺め…

木にもたれかかって始まり…木にもたれかかって終わり…
しかしその内情には悲しくて辛い大きな差が…



・これがワンカットだなんて…ほんとにほんとに凄すぎ…
・ワンカット特有の臨場感とか緊張感がとか…無駄のないシャープなカメラワークとか…etc…が、戦場のリアル感 生々しさをより引き立ててると思う
・WW2に比べるとWW1は日本人にとって馴染みないかもしれないけど、兵士の武士道精神とか…桜とか…悲しみとか…もっと真摯に向き合うべきものが感じられると思う
・端々に感じられる戦争の虚しさ…誰もこんなこと望んでないのに…
・一人の上等兵のその意志に…その両足に…その両肩に…1600人の命が懸かっている…その重圧…プレッシャー…
次から次へと巻き起こるトラブル 悲劇 惨劇…そしてタイムリミット…
・心の痛みに息が詰まる…
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