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異端の鳥の10000lyfhのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
3.5
第二次大戦中にドイツ-ロシア戦線となった東欧で、一人のユダヤ少年が目撃/被害体験する、戦時下の様々な凄惨さを描いた 9部からなるオムニバス的作品。少年が旅の過程でそれらの凄惨さを体験する設定だが、各部はほぼ独立した短編。ざっくり、前半は目撃者的(ナチスによる村の没収、絶滅収容所への列車、市街戦を含む)、後半では巻き込まれ被害に会い、さらに主体的な攻撃(人を襲い物を奪う、報復で銃殺、等)に至る(「報復」モティーフが頻繁に現れる)。これらのことが本当に起こっていただろう、なリアリティは強く、また、ナチスやロシア軍であることは明示されているものの、全ての戦争でも起こっていることだという、普遍性を強く感じる(モノクロなので、例えばナチスと結びつく赤がないのも一因か)。ナチス/ホロコースト非難であると共に、あらゆる戦争への非難。川、沼沢地、湖など、水系を中心に、美しい映像。エンドクレディットでの、女性ヴォイスと弦の 90年代アンビエント調の曲が残す余韻が深い
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