ギズモX

マトリックス レザレクションズのギズモXのレビュー・感想・評価

4.9
【こんなマトリックスに誰がした!?】

「続編には興味なかったけど、ワーナーブラザーズから"やりたいようにやっていいよ"と言われたのでその通りしたんだ」
「そしたら映画史上最もメチャクチャな続編になったんだ!」
ジョーダンテ

まさかここまでハッチャケるとは思わなんだ!!
白ウサギがバッグスバニーのことだったなんて!
これは『マトリックス』であって『マトリックス』ではなく、ましてや作り直しではない!
『マトリックス』三部作で手に届かなかったものを掴み取ろうとして、再びウサギの穴に飛び込んだ"真の赤の薬"である!!

映像表現に革命を起こした『マトリックス』シリーズの最新作。
『マトリックス』は仮想世界と現実世界を混ぜ合わせた複雑な構造を持つシリーズだが、この『レザレクションズ』には更にメタ要素も盛り込まれており、そしてそれを盛大に皮肉ることで、一人歩きしてしまった『マトリックス』にメスを入れる、アンチテーゼと再構築がふんだんに盛り込まれた衝撃作となった。

本作は"マトリックスという作品そのもの"を巡る、第四の壁すらも超えた戦いであるように思える。
この物語でのマトリックスと仮想空間の存在は、ビデオゲームという形で機械に繋がれている人間ですらも周知されたものとなっていて、それぞれがそれぞれの"マトリックス"を思い描いている。
でも、そこに間違った何かが入り込んでしまい、その結果、ネオ達とマトリックスはその何かに利用されてしまった。
機械を超えた何かに支配され、搾取され続ける"マトリックス"に"マトリックス"をぶつけて解放させる、これはそんなカオスを体現した文字通りの反逆である。

個人的には『リローデッド』と『レボリューションズ』を無かったことにしなかったことと、ところどころに『スピードレーサー』の面影があったのが最高に嬉しかった。
『スピードレーサー』の時に感じた、ありとあらゆる障壁を跳ね除け、光の中へ全力で飛び込んでいくあの原動力。
それが時を越え、今のネオ達の中にもたしかに受け継がれている。
やっぱり僕は『マトリックス』よりも『スピードレーサー』のほうが好きだ!!
世界をレインボーに染めあげろ!!🌈

これから観る予定の人は、この映画を観る前に『マトリックス』三部作と、ウォシャウスキー姉妹が『マトリックス』後に制作したレース映画『スピードレーサー』
ドキュメンタリー映画の『フィールズグッドマン』
そしてバッグスバニーがWBのサーバー空間を冒険するコメディ映画『スペースプレイヤーズ』も観て欲しいです。
特に『スペースプレイヤーズ』は、話の内容が、"主人公がサーバー空間を支配するAIから、負けたら電脳空間に永遠に囚われてしまうゲームを持ちかけられたので、主人公とバッグス達が協力して立ち向かう"ストーリーなので本作と共通している部分が多い。
『マトリックス』のオマージュシーンもあるぞ!

https://youtu.be/_XuhVxpnIWg

『グレムリン2 』の息吹を感じる!
『スピードレーサー』の光を感じる!!
ラスト超気持ちイイー!!!
ギズモX

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