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地獄の黙示録 ファイナル・カットのsnatchのレビュー・感想・評価

5.0
何度か観ているこの映画…こんな事思っていた

☀️キルゴアは子どもとサーフボード抱えてはしゃぐ西海岸のどこにでもいるパパ
愛犬の散歩とクスリが大好きなサーファー ランス🐶
パリに料理の修行に行くのが待ち遠しいシェフ🍽
17歳の音楽と踊りと家族が大好きなクリーン🕺🏻
ずっと真面目に生きてきたチーフ
そして、オハイオには愛する奥さんがいるウィラード
激務でも妻と息子を忘れたことはないカーツ

…ここベトナムではどこにいても地獄しかないって全員が分かっているのに止まれない。全員おかしい。つまり全員まともだ。正気であんな事は出来ない。普通のお父さんお兄さん少年…


観ている間中、凄え🤩と酷い😱の繰り返しでした。凄えは、コッポラのこの貪欲さ滴り落ちる1コマ1コマ完璧な画ともう抜けることは不可能なこのジャングルの奥へ奥へと引きずり込まれていく流れ✨酷いはアメリカ人もベトナム人も簡単に吹っ飛ぶ命の軽さ…

「ようこそ映画音響の世界へ」に出てきた、この映画も担当した映像音響編集者ウォルター・マーチさんにハマって書籍を読んだので改めて鑑賞🤩
この複雑に指揮した幾重もの音響の動き、そこに共鳴する心理、そして濃ゆすぎるカーツ王国からの画力に見入った…やはり映画がイっちゃっています😱唯一無二…🤩

印象が変わりました。
私が過去に観たのは01年の特別完全版でカン違いして79年版にレビューを書いてしまっていた💦
完全版は全体的にラリっていた記憶で😀ただただこの総合芸術に心酔した…
今作ではプレイメイトとのシーンは削ってありよかった、あれはわき道だ、船から離れてはいけない! 🐅

全く意味のない戦争を起こし、ベトナム人の国をめちゃくちゃにしたまま、ウィラード大尉も誰も彼もアメリカに帰っても何処にいようともう死ぬまで地獄からは抜け出せない、もうもとの自分には戻れないってことがよく分かる。
それともカーツみたいに、人間が抜け落ちた抜け殻として無意味な地獄を作り続けるか、戦争が創り出してしまった哀しい怪物になった自分の命を止めるか。

じっくり反戦映画だった。外国人の勝手に他国へ入植して富を築いた上での傲慢さとその忘却はメッセージとして入れたままでもよかったと思う。
でも今作ではそこは削ってあるので、ずっと自分も既にPTSD重症者のウィラードについて進み、次々に飛び込んでくる気が触れた恍惚と紙一重の音響映像が自分の心臓と脳内をぐしゃぐしゃと掻き回す、並行して戦争の何もかもを知り尽くしたカーツに近づいていくあの緊張感が全く切れなかった。そしてカーツの語る魂に恐る恐るも引き寄せられのめり込んでいく…

やっぱヤバい凄い映画…コッポラはホントに異常だ…🤩
今年のアカデミー賞での姿を見ましたが、さすがに83歳ひと回り小さくなった🥲ずっと生きてて欲しい❣️
あとは奥さんが作った「ハート・オブ・ダークネス」がぜひ観たい❣️
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