空海花

地獄の黙示録 ファイナル・カットの空海花のレビュー・感想・評価

5.0
「戦争ほど美しいものはない。そうでなければこれほどまでに人間が戦争を繰り返すはずがない」
コッポラ監督がこの映画について残した名言。

「ワルキューレの騎行」の爆撃の爆音。

「朝のナパーム弾は格別だ」という有名な台詞。

ドアーズやローリングストーンズの音楽。

完成までの逸話も有名で
時間もお金も予定を大きく超えて
撮影も狂気の沙汰、行軍状態。
完成したのは戦争という地獄の大傑作。

MyBestに入る大好きな作品である。
コッポラ監督の再編集で限定IMAX上映。
大画面の名シーンは大迫力だった。
目に灼きつく爆撃炎上。
狂っていく人達。

ベトナム戦争を描いた映画は特に辛い作品が多い。
枯れ葉剤、ナパーム弾を使用し、
道義的にも批判されるべきものだ。
映画内にも大義などなく壊れていく人達。
フランス人のシーンは異質ではあるが、
現在にこの戦争と映画を解するのに良い感じに仕上がったと思う。

カーツもキルゴアも別次元に狂っている。
それどころか誰も彼も
そしてウィザードも。
強烈な人物達がまたこの映画を凄いものにする。
ようやく対峙するマーロン・ブランドのオーラが凄い。昏くて黒くて怖い。

残酷なシーンや戦争を描きながらも
映画とは芸術作品だということを認識できる紛れもない傑作。


実はこれを観た後、興奮が冷めずに明け方まで眠れませんでした。笑


2020劇場鑑賞49本目/50
空海花

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