真っ黒こげ太郎

レディ・オア・ノットの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

レディ・オア・ノット(2019年製作の映画)
4.5
お金持ち一家に嫁いだら、その一家はキチガイ一家だった!!

だがその一家が真に狂っていたのは、殺人一家だったからではなく…!?



大富豪一家のル・ドマス家に嫁ぐことになったグレース。
恋人のアレックスといちゃつき、幸せな一時を過ごすグレース。
その晩、グレースはアレックスから、ル・ドマス家に代々伝わる伝統として夜の12時に一家総出で行うゲームに参加しなければならないことを伝えられる。
グレースは家族との絆を深めるためにゲームに参加する。

カードで決められたそのゲームは「かくれんぼ」。
100数える内グレースが屋敷内に隠れ、家族総出でグレースを探す。
グレースが見つかったら負け、グレースが最後まで隠れ切ることが出来たら勝ちというシンプルなルールだった。

早速隠れるグレースだったが、彼女を即見つけたアレックスから恐るべき事実を聞かされる!
そのかくれんぼは、見つけた花嫁をぶっ殺す恐怖のかくれんぼだったのだ!!!!
アレックスの手回しでどうにか逃げ回るグレースだったが、追い回されてえらい目に遭いまくってる内にキレたグレースは決死の反撃に出るが…。



金持ち一家に嫁いだ花嫁が一家の儀式として殺されそうになる、バイオレンス・サバイバル・ホラー。

何故かゲオ先行でレンタルされていた本作。
(日本では劇場未公開だが、海外では高ーい評価を得たそうな。)
調べてみた所、お話は「殺人鬼一家に襲われたヒロインが反撃!!」的な展開っぽいし(大好物!)、スプラッター描写もあるみたいなので観てみた。


お話は上のあらすじ通り、ヒロインが殺人鬼の一家に追いかけまわされるという、何というか、スラッシャーやスプラッター系のホラー映画に親しんだ身としてはものすごーく親近感を覚えるお話。


そう言えば「飛び出す 悪魔のいけにえ」のレザーフェイスの家も豪邸だったなぁ…。ヒロインが追いかけまわされて反撃展開は「サプライズ」みたいだぁ…。


とまぁそんなこんなで展開事態は実に王道なのだが、襲う連中が真面目そうなお金持ち親族だったり、襲う理由が代々続いているゲームだったりと設定は変化球で中々斬新。
ヒロインが物凄く速い段階で反撃&闘争の手を打ったり、殺人鬼一家が「いけにえ」系列の狂人達とは違いの一人一人が仕方なく殺しをやっていて良心が痛んでいる感があったりと、登場人物が良く見るスラッシャーホラーの連中とはちょっと違うのも面白い。
(ヒロインが最初から殺人鬼相手に挑みかかるのは良くあるネタだけど。)

んで、ヒロインが殺人鬼一家と逃げつつ襲われつつな逃走劇を繰り広げる。
今作のヒロインは勇敢だが戦闘力は低めなので襲撃シーンや逃走シーンでは常に緊張感があって見入る。
善人らしき男も良い奴か悪い奴か分かんないのでドラマ方面の緊張感も途切れない。
とは言えキツイ展開onlyではなく、ある程度コミカルな場面も挟んでいて軽快に進行しているため最後までハラハラドキドキしつつも楽しめました。


そして今作で注目したいのが余りにも破天荒なオチ。
普通は殺人鬼を返り討ちにしてよっしゃあ!!!なオチか殺人鬼に殺されて畜生!!!なオチのどちらかを迎えるのが相場だが、今作のオチはかなり捻くれていた!!!

後半、覚醒しつつも戦闘力はそこまで高くなかったヒロインは「サプライズ」のように返り討ち展開とはいかずに、クライマックスへ向かうにつれて段々と追い詰められてしまう。
挙句の果てにクライマックスは絶対絶命!!!これどうすんの!?
と思ったら最後の最後にとんでもない結末が!?


実は殺人鬼一家同士の掛け合いでしっかり伏線は貼られていたし、何処かそういう展開になったりするのかな…?と心の奥底で思ったりはしていたが…。

まさかああいうオチになるとは思わなかったよ!?!?
あのオチには正直、ボーゼンとなってその後「えー!?」ってなったぞ!?
(因みに作中で一番スプラッター度数が高かったのが、このオチの場面でした。w)



そんなこんなでしっかりした展開を重ねたうえで、最後の最後にとんでもないクライマックスが待ち構えている本作。

このオチを許容できるかどうかで評価が分かれると思うが、ま、まぁ偶にはこういうのもいいんじゃないかな。w
ある意味「サプライズ」以上にサプライズなオチだった。w
(因みに細かい欠点もあちこちにあった筈だが、オチの衝撃で全て虚無の彼方に消え去ってしまった。w)

今のところゲオにしか置いてない本作だが、その秀才ながら最後の最後ではっちゃけた様な内容は一見の価値ありですよ。w