まりぃくりすてぃ

街の上でのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.4
春の遠浅の、潮干狩りの海みたいな。シネコンじゃなく、まさにトリウッドで(観客ほんの五、六人の時に)観るべき、みたいな。。 最初の掴みは、古着屋の “試着” シーン脇の若葉が殺人鬼みたいな顔してたところ😆👺😆👺😆  でも、本当にわたしが求めてる海は、違うんだけど。寡黙若葉と周りたちの粗丁寧(あら・ていねい)さへの、同期しづらさ。でも、死ぬ時は明るい温かい海にプカプカしながらがいいし、やっぱりわたしは海が好きで、これも海だからこれでいいやと受け入れる。そうしたら、後半の、映画撮影云々頃からちょっと(いい意味で)せつなくなって、さらに終盤に(いい意味での)ウェルメイド感が押し寄せた。凪や小波を眺め続けた者が最後に貴金属入りのクリスタル瓶✨✨を拾えた、みたいな。若葉のコメントによれば「人生を変えるほどの力はなくても、お守りのキーホルダーになってくれるような映画」。または、浜で素敵な誰かとの出会いを得たからもう海にも感謝しかない、みたいな。。 根岸役のタカハシシンノスケの美貌が贅沢。いくつか雄弁に出された映画監督名とか漫画家名はわたしにはどうでもよく、言及されなかった壁のローリングストーンズのポスターや、力士役の渡辺紘文の潰れた耳や、初対面の男女が一夜語り明かす部屋にずっとあるトルソーが彼女の裸体と当然同サイズであることの長く強い無言の示唆が、ポイント稼げる技だった。下北沢は、 “空がない街” としてわたしに知られ続ける。その「上で」とは、可愛い題。。 立川で鑑賞し、帰路のわたしはうっかり道に迷ってしまった。しばらく行ってふと番地表示を見たら、「若葉町」。若葉に包まれてる、と思い、それから無事に帰れた。。。