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街の上でのolnのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.2
エンドロールに名前がなかった
だから僕らは旅を続けなくちゃ

別れを決意したユキ
別れを飲み込んだアオ
置いてきぼりのメンソール

テープはあってもデッキはない
意味のない味のチーズケーキ
君のいない街の僕

すれ違う名前も知らない人々
知っていても名前も知らない人
知らない人のエピソード

知らないから言えることと
知っているから言えないこと

聞きますよ、恋バナ





感想です。

冒頭のアオに全く共感できなかったんですが、どうにも全体的に作品と私の価値観が違うことに気づき、そういう人もいるんだねぇモードにシフトチェンジ。
「浮気したのに別れたい」じゃなくて、「別れたくて浮気した」って解釈できないの?引き止めて何になるの?と思いつつ、人に対する執着心の違いを開始早々に見せつけられたおかげで、この後のアオを微笑ましく見ていられた気がします。

イハの「寂しさコントロール」発言にも「ん?」と思いましたが、きっとこれが一般的な価値観なのでしょう。いま思い返すと執着しなさすぎて、不安に思われたんだろうなと自戒する過去を思い出してしまいました。
普通に生きているつもりなんですが、ときどき、世間一般からズレた人間なのだと思い知らされます。

いろいろ引っかかり続け、チーズケーキって苦い?とか、うぇぇえ台所で顔洗っていやがるとか、なんだよそのTシャツwwwとか、節々で価値観が合わないのに、なんだか好きな雰囲気が流れていく本作。
んー、どうしよう。この映画好きだな。

代わり映えのない衣装と、下手くそな読書シーンが印象的です笑
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