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オン・ザ・ロックのsymaxのレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)
3.7
ローラは、ニューヨークに夫ディーンと二人の娘と暮らし、子育てをしながら執筆活動に励む作家。

一見、順風満帆のようですが、ある夫の行動に妙な違和感を覚え、夫の言動に疑惑を持ち出します…夫が不倫?

ローラは、表向きは何事も無いような素振りを見せていますが、夫を疑いだすと仕事も手に付かなくなってしまい、悩みを父フェリックスに相談します。

ローラの父フェリックスは、画商を営むかなりの遊び人。

フェリックスがディーンの行動を不倫と即答した事で、ローラは益々不安に…そこで、フェリックスが提案したのが、"先手を打て!証拠を掴め!"とばかり父と娘の"探偵ごっこ"が始まるのです…

ソフィア・コッポラ+A24による緩いバディ・ムービー的な本作。

夫の不倫を疑い、父に振り回されながらも、一緒に尾行していくことで、夫婦関係ではなく、父と娘の関係性を見つめていく展開に。

ローラの父フェリックスを演じるのは、ソフィア・コッポラとは、"ロスト・イン・トランスレーション"以来二度目のタッグを組むビル・マーレイ。

女好きで自由人、でも娘を心から愛し、憎めない父をビル・マーレイらしい、飄々とした演技で魅せてくれます。

フェリックスのもっともらしい自論がいちいちツボで…

ローラは、父を見てきたことで真面目というか一生懸命やって来て何処か疲れ、余裕が無くなっていたのかもしれません。

いつの間にやら、口笛も吹けなくなってしまって…フェリックスと共に行動し、父の誰とも友達になって、自由に恋愛してっていう姿に憧れというか、"探偵ごっこ"は確かにくだらないんだけど、徐々に疲れていたローラの顔が明るくなってくる所が面白いですね。

フェリックスもあれだけローラに責められながらも、絶対に謝らないけど、家族を愛する気持ちも揺らいでいないので、ローラも憎まず、口笛で応えたのですかね?

勝手な想像ですが、ローラとフェリックスの関係って、ソフィアとフランシスの関係のような気がしてきました。

ソフィアも大分父親に振り回されていたんじゃ無いんでしょうか?

父は狂気の天才ですから…
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