ノッチ

壁男のノッチのレビュー・感想・評価

壁男(2007年製作の映画)
2.0
テレビ・レポーターの響子のところに、都市伝説のような噂「壁男」に関する葉書が届く。

バラエティのノリで取材するが、これが大反響を呼ぶ。

その頃から響子の恋人で、カメラマンの仁科は個展のテーマに壁の写真を撮り始める。

異色漫画家・諸星大二郎の短編コミックを堺雅人主演で映画化したホラー。

壁の中に棲む壁男の都市伝説にはまりこんでいってしまう、カメラマンとその恋人の話。

ジャケットで変に期待して観てしまったのが拙かった。

低予算なのか、主役の堺雅人と小野真弓以外は全くの無名俳優を起用。

無名俳優が悪い訳ではないが、堺雅人の演技がずば抜けているので歴然の差を感じてしまう。

ホラーというよりも不条理(それこそ昭和のホラー漫画によくあるような)を強調したような作品に仕上がっている。

根拠のない都市伝説も、根も葉もない噂も、信じる人が出れば、それは「生」を得て勝手に独り歩きし始める。

そんな、人間とメディアの不可思議さ・怖さを静かに映し出している。

また、人間にとって第三者的存在で気味悪がられる「壁男」より、第三者がいない、主観のみによって構築された個々の人間たちの世界の方が余程気味悪く狂気的であることも、作品の端々から匂わされている。

私たちが感じる都市伝説や身近な怪談への、あの居心地の悪い感覚はどことなく表されていると思う。

だが、2007年に作られたにしてはかなり大味で、正直「怖がらせる」という部分においては弱く、唯一堺雅人がその独特な演技でゾクリとさせてくれたくらい、かな?

劇中では一生懸命「壁男」に入り込ませようとしているが、魅力も怖さも何も伝わってこない。

魅入られて狂っていく様を見ても何の狂気さも感じない。

ただ長いだけ…。

演出だとすればあまりに的外れ。

途中から内容そっちのけで、堺雅人の顔ばかり見てた…。

だから内容聞かれてもよくわかりません。

すみません。
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