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2人のローマ教皇のikumuraのレビュー・感想・評価

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)
3.3
急に忙しくなってなかなかフィルマークスも開けずご無沙汰してます。。
新型コロナもおおごとになって映画館も行きづらくなって、、

というわけでできた時間にネトフリ作品。
公開中に見に行けなかった。
フランシスコ教皇、体調を悪くされたという報道を見たけど大丈夫だろうか。。

2005年のヨハネパウロ二世が帰天されてからのコンクラーベ
(なかなか決まらないのでほんとにコンクラベだね、という冗談を聞いた)、
そこで誕生したベネディクト16世による2013年の退位表明、そして南米から初の教皇としてベルゴーリオ枢機卿がフランシスコに、
どちらもよーく覚えているので感慨深い。

カトリックの伝統的な教義を変えない保守派として有名だったベネディクトと、時代に合わせて、というより弱者に寄り添うという本来の意味に立ち返って変えていこうとするフランシスコ。
一応毎週教会に行ってる信者の僕個人としては日頃からフランシスコに共感しているんですが、、

相反する二人が話し合い、互いの理解を深め、神に仕える者として共通の目的を確認し合う、
その合間にピザを食べたりタンゴを踊ったりサッカーを見たり、
という発想は面白かった。

12億人の信者の存在について映画の中でも触れられているけど、
たしかに世界中で、これだけの人たちが、基本的に同じしきたりにのっとって、毎週教会に通い(まあそれはもちろん全員ではないけど)、
心を一つに祈る、そのことは、教会のあり方に批判的な部分もある自分にとっても大事なことなんだよなあと。

そして変えまいとする力と変えようとする力、どちらもキリスト教には内在的にある者で、
外から見れば矛盾するものが、信じるものにとっては共に重要、ってのも理解できる。

権力欲や野心のないベルゴーリオが、司牧としての教皇の役割を受け入れていく様もよかった。

しかしベネディクト名誉(emeritusそのままこう訳すんだ(笑))教皇は、最近になっても「教会の性的虐待スキャンダルは性革命に原因がある」とする論文を発表したりしてるし、
なんだかこの映画で描かれているように改心して大人しくしてる、って感じでもないんだよなあ。。
こういう会話があった、ってことはほぼフィクションなので、なぜこういう映画にした、という疑問は残る。

あとベネディクト役のアンソニーホプキンス、フランシスコ役のジョナサンプライス、
どっちも芸達者なんだけどやはりキャラが濃いんだよなあ😂
特にこの前見た映画の影響でフランシスコ教皇がドンキホーテにしか見えない😂
まあそれはそれでいいか。
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