ひろぽん

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのひろぽんのレビュー・感想・評価

4.7
『ミッション:インポッシブル』7作目 前編

IMFエージェントであるイーサン・ハントに課せられた究極のミッションは、全人類を脅かす新兵器が悪の手に渡る前に見つけ出すこと。しかし、IMF所属前のイーサンの「逃れられない過去」を知る“ある男”が迫るなか、世界各地でイーサンたちは命を懸けた攻防を繰り広げていく。今回のミッションはどんな犠牲を払っても絶対に達成させなければならないことを知る。守るのは、ミッションか、それとも仲間か。果たしてイーサンの史上最大の決断はどうなるのかという物語。


タイトルの「デッドレコニング」は「推測航法」の意味があり、航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のことを指す。

タイトルから推測すると潜水艦がメインで登場し、物語が進行していくのかと思えば冒頭で少しだけ出てくるのみ。

だが、そこで登場する「セヴァストポリ」というロシアの実験的潜水艦が今作の最大の鍵となる🗝

潜水艦の爆発は「エンティティ」と呼ばれるAIによって画策されたものであり、エンティティは爆破された潜水艦とともに海底に沈んでいることが判明する。

元々は、痕跡を残さずに敵国に侵入するために開発されたエンティティが制御不能に陥り、インターネットの世界へ。世界の国家機密や中央銀行、世界的防衛インフラを含むシステムに入り込み、全人類を脅かす危険性を帯びている。それを止めることができるのはあの男だけしかいない。

AIすら恐れるイーサン・ハントの究極の戦いが始まる。


今、まさにハリウッドで話題となっているAI問題と重なる本作。人間 VS AIの熾烈な闘いに、自らスタントをしてリアリティを追求したド派手なアクションに挑むトム・クルーズの魅せる映画は激アツで半端なくカッコよかった!

今作の5秒後に消えてしまうミッション伝達は、デリバリー宅配のバックによるもの。受け渡しの際の会話から感じられるイーサンのベテランの余裕がとても心地よい。

イーサン・ハントに命じられた任務は、エンティティを制御できる2つの鍵を見つけ出し、手に入れること。

そんなイーサンの前に、IMF所属以前の彼の過去を知る謎の男・ガブリエルと、最低で最強のAI・エンティティが立ちはだかる。

何手も先まで予見する力があるAI。
イーサンたちが迎える運命は果たして相手が予見した未来で、相手の手のひらで踊らされているのか?その裏をかきAIに勝つことができるのか?というこれまでのMIPにない強敵との戦いが非常に面白い。

スリの天才である新キャラ・グレースとの攻防やローマの街中を黄色いフィアットで疾走、元MI6でイーサンの戦友・イルサとの絆、ガブリエルの右腕の部下として登場する最凶の暗殺者・パリス、敵なのか味方なのか分からない武器商人のホワイト・ウィドウ。

かつてないくらいに魅力的な女性キャラたちが沢山活躍するのも素敵な要素。

そして、1作目から27年振りに復活した現CIA長官のキトリッジ。イーサンとの因縁のある彼が今後どんな立ち振る舞いをしていくのか楽しみ。

天才ハッカーのルーサーや、イーサンの相棒の技術者ベンジーの安定の活躍も見どころ。イーサンとの空港でのやり取りや、イーサンのバイクを誘導する時のベンジーとイーサンの2人のやり取りが好き。

グレースだけでなくCIAまでも相手にしながら繰り広げられる空港でのバトル、ローマでのカーチェイス、イーサンのバイクでの大ジャンプパラグライダー、暴走する列車でのハラハラドキドキの駆け引きや格闘etc.....
と手に汗を握る緊張するアクションの数々や、クスッと笑ってしまうシーンが散りばめられておりとても面白かった。アクションシーンもシリーズを増す毎にド派手でド肝を抜かれるクオリティで感動するレベル。

珍しく「それ」という言葉が多々登場する字幕に違和感を感じた。

この作品単体だけでは評価がしずらいが、2部作構成の前編のラストとしてはキリがよく気持ちよく観終わることができた。次作が楽しみで待ち遠しい。
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