ショウコ

シンクロニックのショウコのレビュー・感想・評価

シンクロニック(2019年製作の映画)
3.5
タイムトラベル物と呼ぶにはあまりにガバガバで粗削り。でもやりたい事がハッキリしてるし浪漫があって面白い👏私の脳にダメージを残すほど複雑でもなくちょうど良かったです

「7分間だけ過去に行けるドラッグで次元に迷い込んだ女の子を探し出せ!」という話。どの時代に飛ぶかは座標によって変わるため、彼女がどのポイントで時間ポケットに落ちたのかは藁山で針を探す様なもの。しかも錠剤の数は限られていて数打ちゃ当たる作戦は使えないし、飛ぶたびに危険なメに遭うから命がいくらあっても足りない!

…って書くとライトなファンタジーSFっぽいんですが割と重厚ムード。主人公は救急隊員で、オクスリ過剰摂取で瀕死になるやつを処置してるんですが最近ODにしては普通じゃない死体が多いぞって所から始まる。んで慰留品からオクスリに辿り付く…



目指したのはたぶん「いつもトリップ中に見てる光景、それホントに幻覚か疑った事ある?」と日常(?)にオモシロ波紋を投げかける事🌊

オクスリを飲んだ人は無自覚なまま時間旅行をしており、大昔のヘビに咬まれたり戦争に巻き込まれたりして死ぬ。そのまま7分後に死体となって現在時間に返ってくるわけです。キミ達はたまたま運良く無傷で戻って来られてるだけで実は命懸けなんだぜ😏みたいな

アメリカの過去、歴史がどんだけ物騒だったのか改めて実感できるし、主人公が黒人ってのがそれに拍車を掛けている。ドラマ部分も出来上がっててしっかりストーリーになってました



画は…映像のお遊びが多くてとっても目が楽しいです。そりゃ今ならCGでちょちょいのちょいなんでしょうけど現実と幻覚(現在と過去)がぼんやり移り変わっていく描写が面白くてワクワクする!お得意のドローン撮影はアチコチに入れてくれるし何より揺蕩う様なカメラワークね🎥このコンビ監督、これからは「視線誘導の双鬼」って呼ぶ事にします

あと、これに良く似た話を世にも奇妙な〜で見た事あるんです。「恐竜はどこへ行ったのか」ってタイトルなんですけど、恐竜は実は絶滅したのではなく別の次元に逃げ込んだだけなのだ!と気付いた博士が脳の特殊な領域に作用をもたらすクスリを開発して次元を超えたら頭をカジられちゃう…というSFスプラッター🦖

映画でも「脳の松果体」について触れてたし、実は世にも〜がネタ元だったなんて奇跡もあるかも知れない
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