このレビューはネタバレを含みます
前半はピエロの正体と目的、病院の秘密を暴くことに軸を置いて話が進んでいく。
これの内容自体はよく練られていて楽しめた。伏線もきちんと張られていて、サスペンスとしては非常に良かった。
ただ。病院での事件が終わってからはやや冗長気味に感じてしまった。
おそらくここで観ている側の目的が達成されてしまい、映画と映画を観てる側との意識の繋がりが切られてしまったからだろう。
フランス料理でお腹いっぱいになったのに、追加でイタリア料理の前菜が出てきたみたいな。
病院での事件が終わり、今度は別の解決すべき事件が主人公に降りそそぐ。
この二部構成が、観てる側に満腹感へのいらぬおかわりをもたらした。
しかし、今回でいえば事件が終わった後の生存者たちのドラマを入れないと、本当にただの推理モノになってしまう。
それはおそらく原作者様含め、製作側の意図することに反するのだろう。
ミステリーに人間ドラマを組み込む難しさは、きっとこの部分にある。
事件後の人間ドラマのパートをいかに間延びさせず、それでいていかに最大効果を生みながら最速で物語を閉じれるか。
