フランケンシュタイン博士の息子が亡き父の城に戻る。
彼は父親の手紙を発見し、廃墟に眠っていた怪人を再生してしまうが…。
『フランケンシュタイン』(1931)、『フランケンシュタインの花嫁』(1935)に続くユニバーサル社の『フランケンシュタイン』シリーズ第3作目。
当時の日本人が「恐怖、惨忍、戦慄のため非一般用映画」と警告したのは有名。
この映画の原題は『Son of Frankenstein』。
というわけで、フランケンシュタイン博士の長男・ウォルフが登場する。
前2作で活躍したフランケンシュタイン博士の息子が妻子を伴い、相続を目的に帰郷する所から物語は始まる。
「最近は博士の名前と怪物の名前が混同されてる」という冒頭のメタ発言が面白い。
怪物役はお馴染みのボリス・カーロフ。
この作品で怪物が殺人機械と化したため、カーロフは次回作でフランケンシュタイン役をやらなかったとしばしば語られています。
さらに、『ドラキュラ』を演じたベラ・ルゴシが、今回の新キャラクター・イゴールを演じています。
今回の映画では、怪物よりも彼が主役と言っても過言ではないでしょう。
また、セットがドイツ表現主義映画を意識したものになっており、監督も変わったこともあってか、前2作とは作風にも顕著な違いが見られる。
怪物の衣装も黒のジャケット・パンツのセットアップから、毛皮のベストに変わり大分違った印象に見えます。
内容としては、導入部が長いが怪物が出てきてからは面白い。
特に怪物を医学的・科学的に分析する展開がいい。
ヘンリーの息子、ウォルフは完全に父のDNAを受け継いでいましたね。
研究に没頭してるときには自信満々なんだけど、いざとなると冷や汗ダラダラでキョドキョドになってきます。
ほんと父親にそっくりです。
で、肝心の怪物ですが、今回はあまり同情を引くような場面はなかったです。
文字通り怪物らしく暴れ回る。
一応理由があるっちゃありますが、同情するほどではありませんでした。
日本では余り有名な映画ではないが、セットなど金も掛かっているようで結構楽しめる。
前2作に及ばないと言っても、余りにも差があるほどではない。