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ラ・ジュテのakihiko810のレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
4.2
gyaoで視聴。
フランス映画。クリス・マルケル監督。
全編モノクロのスチール画とナレーションだけで構成された「フォトロマン」と呼ばれるモノクロ写真を連続し映す手法で描く、上映時間29分の短編映画。

第3次世界大戦後の廃墟と化したパリ。戦争を生き延びたものの地下生活を送る羽目に陥った科学者たちが、“過去”と“未来”に救済を求める。彼らは少年時代の記憶に取り憑かれた捕虜を使ってタイムトラベルを試みるが……。

実験映画だが、短編なのでしっかり見れた。「フォトロマン」という手法は、今で言うならグラフィックノベルを見ている感覚を味わえ、内容も「しっかりとした大人のおとぎ話」という感じでずいぶん引き込まれた。
表現方法は芸術だが、あらすじがしっかりと娯楽作っぽく作られているのも、見やすい要因だ。

学生の頃の押井守が本作を見て「これなら俺にも映画作れる!」と自主製作映画を作ったらしい。演技がない代わりに中間制作物が多いので、撮影は大変だったらしいけど。
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