翼

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームの翼のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

以下、鑑賞時の感情の再現。





おお!!ジェイミーフォックスでた!!
ナードな役だったのにムキムキジェイミーフォックス味になってる!んでそこ突っ込まれてるww!!



ウィレムデフォーーー!!!
老けない!!マジか!!息子じゃなくて親父ゴブリンの方か!!!!
んでもって心の悪ゴブリンも一緒か!!!!



サークルの向こうで手を振りながらやってくるアイツ、いつもよりデカくね???まさか、まさかさ、いやもちろん予想はしてたけどさ、
おおおおアンドリューガーフィールドォォォ!!!
やっぱかっけえ!やっぱかっけえ!!寝癖っぽいあの髪質のまんまでかっけえ!!!長身スパイダーマン!!!

てことはさ、てことはさ、もうさ、出るよね、出ないわけないよね、まさかさ、まさか……





うううわああああああああ!!!!
トトトトトトビーマグワイア!!!!!
トビマきた!!!!!!!
うぅわぁぁあああ!!!!!!大人のピーターパーカー!!!!
うわああああああああああああ!!!!!
並んでる!!!!!!
3人並んでる!!!!!!
色がちょっとずつ違う!!!目も!!!蜘蛛ロゴも!!!ちょっとずつ違う!!!!!





もう、心は大騒ぎで口では絶句ですよ。
ありがとうサムライミ。
ありがとうマークウェブ。
そして本当にありがとうジョンワッツ。

興奮冷めやらぬ中、ここからはレビュー。



………



「大いなる力には大いなる責任が伴うのよ」

スパイダーマンとは、過ちの物語だ。
トビマはベンおじさんを殺す犯人を逃し、
アンガはグウェンを救えなかった。
若いトムホはアベンジャーズから本作に至るまで実に多くの失敗を重ね、その数だけ成長してきた。
全ての物語に共通するのは『大いなる力には大いなる責任が伴う』ということ。ベンおじさんの遺言で無印三部作で刻みに刻まれたこの言葉がメイおばさんの遺言ともなる。
そう、マーヴェルスパイダーマンはどこかコミカルで、得た力(トニースタークの残した技術やアベンジャーズへの加入)に対して責任の対価が釣り合っていないように感じていた。本作の結びで、その責任の重圧を一身に受けることとなる。彼の記憶を失った恋人・親友・保護者との離別に加え、メイおばさんも居ない、本当の独り。それでも彼はオリジナルのスーツを見に纏い、ニューヨークの街へ駆け出す。ヒーローとして大いなる力の責任を背負い戦っていく意志の感じるエンディングだ。未だかつてこんなにシリアスな展開がマーヴェルスパイダーマンにあっただろうか。これは物悲しくもあり、同時に力と責任の対価を知った真のヒーローに成長したエンディングと感じられた。マルチバースの展開といい、ここに立つスパイダーマンこそが今後のMCUの軸となる骨太さを手に入れたように見えた。

さて、過去作スパイダーマンの『その先』が描かれる本作。
数多の物語を背負ったヴィランと、犠牲を払いながらそれを退けてきた2人のピーターパーカー。それぞれの物語に進歩と成長があり、弔いのように帰結することが本当に素晴らしい。
ビルから落下するMJには、救えなかったグウェンが重なり(カットもオマージュしてる)、救出をまたもゴブリンに妨げられたところで償いのようにアメイジングスパイダーマンが救う。「今度は救えて良かった」と、そんな台詞はないんだけど、そういう表情を見て、あの日から止まっていた時間が動き出したような感動を覚えた。
人によっては過去作の続きなんかやるなと、想い出に泥を塗るなと捉える人もいるかもしれない。それは真っ当な意見だ。でも、尻切れに終わってしまったアメイジングスパイダーマンの、ファンがどれだけ望んでも実現し得なかったアメイジングスパイダーマン「3」の、夢を叶えたような気持ちになって涙が止まらなかった。

そして複数のスパイダーマンシリーズの決着。公式の『答え』。
例えば子供に「スパイダーマンってなんで何人もいるの?」と聞かれたら「ソニーの版権がね…」とどうでもいい映画の世界の外の話をせざるを得なかった"スパイダーマン映画"というコンテンツを、マルチバースという解釈で昇華し帰結させた功績は大きい。これからのママパパたちの答えはこうだ、「いろんな世界にスパイダーマンはいて、みんな本物なんだよ。大人も子供も、肌の色も違う色んなスパイダーマンがいて、力を合わせて戦う映画もあるんだよ。」
ヴェノム一辺倒でいまいちパッとしない無印3も、幻のアメイジング3も、ソニーとマーヴェルの黒歴史ではなく肯定することができる、素晴らしい解釈だと思う。エンドゲームで感じた過去22作の終着という圧倒的情報量と押し寄せ込み上げるえも言われぬ感動。あれはついぞ感じ得ない究極の感動だと思っていたが、まさかスパイダーマン過去作からその感動を手繰り寄せるとは!本作もエンドゲームに似た込み上げる感情があった。凄まじいリスペクトというか商魂たくましいというか、本当に凄いぞMCU。



今までスパイダーマンを好きで居続けた自分を褒めてやりたい。そして過去の自分に教えてあげたい、今抱えているそのモヤモヤは昇華するぞと。そして未来、まだ観ぬスパイダーマンがあるのだぞと。エンドゲームに表現できない感動はこの「未来性」にある。スパイダーマンの闘いはまだ始まったばかりで、これからもスパイダーマンと、スパイディファンの私たちの物語は続いていくのだ。


※備忘メモ※
余韻滅殺の舞台挨拶中継上映にさえしなければ完璧だった…俺のバカ!!!!!!
翼