Gan

罪と罰のGanのレビュー・感想・評価

罪と罰(1983年製作の映画)
2.9
おらゆる要素が、奇跡的な匙加減で重なり合って、絶妙な塩梅でめちゃくちゃおもんなくなっている。全て中途半端。

原作はラスコーリニコフが私怨関係なく殺人を犯したから意味があるのであって、私怨関係してもうたら意味ないやん。
物語的な質感のない殺人。面白くなりそうで全く面白くならない。原作に忠実かと言えばそうでもなく、かといって映画的かといえばそうでもない。さして光るオリジナリティも無い。何故こんなに評価が高いのか。原作をパロってるところは散見されつつも(「斧で殺してない云々」とか)、ソーニャの聖母像までは全く届かない微妙なヒロイン出てきたりとか。なんやパン屋て。
90分にしてはよくまとめた、とかでもない。
誰の心情も分からないまま。全ての出来事に必然性もない。

見るのが苦しかった。重ね重ねになるが、やたら高評価多いのが理解できない。とりあえずもう3~4本観て、自分の中のアキ・カウリスマキ像を立脚したい。
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