ryodan

リチャード・ジュエルのryodanのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.7
C・イーストウッド監督作。
なんかイーストウッド怒ってますね。「アメリカン・スナイパー」の時よりテーマがピンポイントになってる気がする。気になって調べたら、英雄が一転叩かれる「白人」シリーズ他にもあるんだね。典型的な善良なアメリカ人でしかも白人が社会の敵になる社会に腹が立っているのか。黒人は黒人でS・リーがやればいい、白人の問題は俺がやる!的な。台詞の中にも過激思想やカルト教団、ひいてはKKKに加担しているかという台詞が印象的でした。まっさらな「白人」の生き辛さ。別に彼は分断を煽っている訳ではなくて、ただの「白人」としての疑問。でもそこを焦点にすると自然とトランプの支持基盤の中西部がどうしても舞台になる。御大イーストウッドをメディアも叩くわけにいかないし、描き方もさほど煽情的ではないからほっといてるけど、個人的に違和感はありますね。「記者たち」の中にもあったけど、国を守るために軍に志願した善良な国民を、わざわざ死なせるために理由もなく戦場に送ることは出来ないという考え。単純な戦争反対ではなくて、日本の9条の精神とは違った考え方でお国柄だなとも思います。テロで負った傷だらけの自国をもっと優先して国を何とかしろと静かに怒っているのか。「Make America Great Again」の共和党のスローガンと一致する。ダーティハリーは怒れる保守なのだ。
ryodan

ryodan