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雨月物語の10000lyfhのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
3.5
戦国時代日本、陶芸家または武士として成功をつかみかけるも、超自然現象や運命に弄ばれ、本来の質素で平穏な生活に戻り、そのありがたみを知る庶民の義兄弟。このテーマに沿ってストーリーは直截的、ベタだが、2人の主役男性それぞれのドラマに起伏があり、エンタメとしても面白い。そして、背景としての琵琶湖の映像が、水墨画のように美しい。ただ、映像美を除けば、琵琶湖が、象徴的な意味を分析することは可能だろうが、ストーリーにさほど関係ない気がした。序盤の湖賊に襲われた小舟上の瀕死の男も、その先の出来事の前兆なのは分かるが、やや拍子抜けな伏線。1950年代の映画に対して的外れなコメントだが、妻である女性 2人の悲劇が、夫である男性 2人の不幸の要素として描かれており、男性が作り、男性の共感を求めた映画ではある。先行シーンの名残惜しさを感じさせるクロスディゾルヴが印象的。劇伴は、読経のような男性ヴォイス含む伝統邦楽に、ハープ含むラヴェル的なオケを織りまぜ、凝っている
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