岡田拓朗

ドロステのはてで僕らの岡田拓朗のレビュー・感想・評価

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)
3.8
ドロステのはてで僕ら

2分先の未来がわかるという設定だからこその、未来が見える希望と未来に囚われる現在をどちらも描くことができる。
まさに発想の大勝利と言うべき作品。

未来の全てが見えるわけではないから、それを見て起こす行動が、本当に全てよい方向に繋がっていくのかどうかはわからない。
未来が見えることで、目の前の欲に眩んで起こしがちになる行動は、その先に本当は何があるのか。

もちろんよいこともあるけど、実はその裏によくないことが潜んでいて、予期せぬことに巻き込まれることもある。

それでも未来が見えるからこそ勇気を持って起こせる行動や希望もあって、本当に「2分先」の未来がわかるという設定が物凄く活きてる作品だと思った。

頭がごちゃごちゃになりながら、つい先が気になってしまい、常にわくわく感を堪能できる。

強いて言うなれば、ラストが弱かった。
自分の中で『カメラを止めるな!』ほどにならなかったのは、ラストの部分かな…あの実は地続きになってましたからのエモーショナルでグッとくるもうひと押しが本作ではあまり感じられなかったように思う。

でも70分かつiPhone?でこれできちゃうって、やっぱり凄い!!
岡田拓朗

岡田拓朗