まりぃくりすてぃ

キスカム!~COME ON,KISS ME AGAIN!~のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

1.0
〈お客様の声〉

33才 東京都 OL様
「 “松本花奈監督の最新作だから” ってことでワクワクさせられちゃいました。花奈自身の脚本じゃなくって、しかも吉本の商魂オンリー娯楽映画にすぎなくっても(まあ、製作が誰かは私知らなかったんだけど。男目線のアホ作『生理ちゃん』と同じ製作社、と知ってりゃ半年も前にムビチケ買わなかった)、少なくとも小爆発箇所満載の花奈の演出力とかに期待するわけですよね。ところが! 優秀映画らしい演出なんて一カ所もありゃしない! てか、これ、映画ですか?
百回キスしても潤う、とか云ってましたけど、百回上映してもダサい、と思いますよ? まあ、口紅のヌラヌラな輝きはだいたいよかったけど。
後で調べてみたら、林賢一っていう男の人が単にテレビドラマの延長で書いたにすぎないみたいな脚本に、山崎ケイっていう平凡さが売りの女の人がたぶん適当にOK出したみたいで、美しい花奈ブランド+モデル出身女優たちの美力+キラキラ系内の優秀派葉山奨之の責任俳優力で、あたかも “恋愛マスターたち・KISSマスターたちが創り上げた” みたいなキランキラン商品として出してきただけの、花奈詐欺映画でした。詐欺するなら、せめて題名だけでも花奈らしさをもっと全開して『キスカム! キスカム! キスカム!』にすべきですけどね?
塚本高史0点。かっこよくなきゃ始まらないのに、ガァガァ吼えるのウザイです。汚いです。ヒゲ剃って前髪も爽やかにしてほしかった。映画内容に最も合ってない俳優。彼が登場してから映画が溶解していきました。別のピストルばんばん映画とかに出るべき人。
森口瑤子は10点。どこにでも転がってるような人物像しか。ひきだしが少ない女優のようね。
堀田茜は50点。豪華さの一翼を担ってるのはいいけど、終わってみたらキス要員にすぎませんでした。鼻の形がヘン。
葉山奨之は48点。チリチリ頭がムダにダサ。普通にかっこよくしててほしかったです。演技単調。一応彼のファンだったんだけどな。
八木アリサは98点。ひとりだけハイスペック。この存在感&この演技のまま、そっくりそのまま別ストーリーの別ジャンルの別映画に彼女をぽーんと投げ込んでも、そのまま通用しますね。
監督2点。
脚本0点。
脚本監修1点。
脚本書いた人と脚本監修した人に言いたいんですけど、こんな話、あなたたち自身の過去の恋愛体験(や場合によっては現在の恋愛とか)に対してあまりにも失礼だと思いませんか? あまりにもチープですよ? 口づけをメインモチーフにした商業映画のストーリー引き受けたりするのは、つまるところ世間一般に対して “私たちは恋愛マスターの側にいるんで、皆様を娯しませるためにこんなの創ってみました。口づけみたく、ちょっとはおいしかったでしょ?” っていう呑気っぽいマウントとってお金儲けもしたかったってことでしょうけど、自分たち自身が人生の中で本当に一度でも命懸けのピュアな恋愛をしちゃったら、以後はもうゼッタイに恋愛というものに対して半端な茶化しはしたくなくなって、しょっぱい恋愛やすっぱい恋愛や甘っちょろい恋愛を浅く描くだけでは飽き足らなくなりますよ? つまりは、これの関係者たちの多くは恋愛についてはギミック人間だってこと。監督の花奈も、じつは恋愛経験乏しいんじゃないですか? 乏しくないなら、こんなものを大人たちに依頼されて撮る気には普通ならないですよね。せっかく才能あったのに、資本に魂を売り渡しつつあるみたい。キス映画なのにキスで魅了できる場面が一瞬もなかった。それってどういうことですか? たとえば最近では、小川紗良監督のショートフィルム『あさつゆ』の陸橋上での線香花火キスで、私は泣きそうになりました。佐藤睦美監督のショートフィルム『ラウンドアバウト』の室内濃厚キスにはドキドキしました。ほか、いいキス映画いっぱい知ってます。そもそも、世界最高のアート上のキスといえばムンクが版画で描いたグログロな『接吻』に決まってますよね? もちろん人の好みもあります。でも、これだけ偉そうにキス多め映画だとぶち上げておいて、いくつか出てきたキスのたった一つも私を泣きそうにさせずドキドキもさせず最高って気持ちにもさせなかった、その淋しさをスタッフもキャストにも共有してもらいたいですね。あ、今日一緒に観に来たのは、ガキ臭くないパリジェンヌの友達です」

22才 パリ市 法律事務所勤務様
「堀田サン、『アデュー』ッテ書イタノニ、別レマセンデシタネ? ダメデスヨ、文法違反デ逮捕サレマス」