せんな

461個のおべんとうのせんなのレビュー・感想・評価

461個のおべんとう(2020年製作の映画)
4.2
「これは、毎日のおべんとうの話だ。それ以上でもそれ以下でもない。」
この言葉に尽きる、とても穏やかな映画でした。
特に大きな出来事が起こるわけではない、起伏が少ないからこその愛おしさ。

明るくて何事も楽しむ気持ちを忘れない、イノッチ演じる主人公・一樹。「うまくいくと思えばうまくいく」が信条のポジティブな人で、おべんとう作りも、何よりもまず自分が楽しんでいる。一樹のその飾らない人柄が、この映画をよくある「泣ける話」ではない、穏やかで明るいものにしている一因かなと感じました。息子をとても大事に思うお父さんの要素もたくさんあって、福島から虹輝の心配をする場面で特に心打たれました
その一方で、自由すぎて周りにいる人をけっこう困らせている、そこはかとないダメさを随所に感じました 息子である虹輝が1度ばっさり斬ってくれてちょっとほっとした…

ひねくれてるけど心優しくて、でも自分の居場所を求めてもがいてる、道枝くん演じる虹輝。複雑な思春期の少年に、とても心惹かれました

若林時英くん演じる章雄くんがあまりに気配りのできるいい人で大好き…!こんないい子に気を遣わせたまま謝ってないところだけは虹輝、許してないからね!

一樹の「デカくなったなあ」の一言がとても好きです このセリフを聞いて、虹輝の成長を見るためにもう一度観に行きたくなりました

音楽を楽しむ映画としても良かったなあ
イノッチの歌声がたくさん聞けるの、ファンとしては感謝しかないです!特に冒頭の曲が頭から離れない
ライブのシーンは本物さながらにテンション上がりました!コールアンドレスポンスしたくなっちゃう
そしてエンディング曲の親子での歌唱。イノッチの力強くて優しい声はさることながら、道枝くんの上ハモ素晴らしかった。難しいことをサラッとやってのけている…!
いい曲ばかりだったので早急に全部収録したサントラをください!!

みんなが大切な人を想って毎日を生きる姿に、とても心が温かくなる映画でした!
せんな

せんな