真っ黒こげ太郎

ガール・オン・ザ・サード・フロアの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.5
謎の黒い液体と謎の白い液体の正体とは!?

…って思い返してみたら…白い粘液…。

ヴォエ!!!(嘔吐)




出産間近の妻の為に、一念発起して中古物件を購入したダメ男のドン。
家の中はボロボロで汚れていたため、ペットの犬と共に家に泊まり自力でリフォーム開始する。
何故か謎のビー玉があちこちから出てきたり、天井が崩れて隠し部屋が現れたり、水道から出る謎の黒い粘液やシャワーから出る謎の白い粘液を浴びたりしながらも、どうにかリフォームを進める。

そんな中、謎の美女サラが現れ、ドンを誘惑!!!
ドンはアッサリ誘惑に負けてしまい一夜を共にしてしまう。
その後ドンはサラを追い返すが…。




とある事故物件を買った男が、謎の女と一夜を共にした結果とんでもない事になる、オカルト・ホラー。
例によってFilmarksでは今の所原題表記のママですが、GEO先行で「ガール・オン・ザ・サード・フロア」のタイトルでリリースされています。

最初見た時はオカルト系の怖さ重視系作品かと思いきや、ジャケ裏画像をなんとなく見てみると、頭が割れて肉が見えてると思しき女性が!!!
「この映画、もしかして…」と思い予告編をチェックすると、”全てのゴアファンに贈る珠玉の流血と殺人”のテロップと共に血が吹き出るカットが!!!!
「こりゃもしかすると、もしかするかもしれへん!」と思い、急遽レンタル&鑑賞。



…流石に”全てのゴアファンに贈る珠玉の流血と殺人”は言い過ぎだと思う。w
でも、気味悪くてグロテスクで、予想以上に面白かった!!!


お話は「訳アリ物件を改装しに来た主人公がエライ目に遭う」というオードソックスな心霊ホラー物。
しかし、主人公の「無責任」が跳ね返ってくる展開や特殊メイクを駆使したグロテスクな見せ場も満載、ストーリーも上手く捻ってあって最後まで楽しめます。

前半は、主人公が家を修繕する傍らで、じわじわと怪しい出来事が起きる。
ここら辺はよくある怖さ重視の映画って感じがする。
しかし、主人公が突如現れた女と不倫してからは、怪しい出来事が連続発生しそれと共に主人公のクズな性分が明らかになってゆく。
不倫しといてヤッた女性に「家族が来るからもう来んといてくれ」とか「成り行きで仕方なくやっちゃったんだ!」ってお前さぁ…。
手伝いに来た主人公の親友にも「お前何やっとんねん!」と呆れられる始末。そりゃそうだ。
そしてそこから血生臭い描写や超常現象が次々と増えてゆき、最終的にはとんでもない地獄絵図に!!!
この惨劇は誘惑に打ち勝てなかった、クズな主人公の傲慢の結果と言えるだろう。

またクライマックスでは主人公が交代し(!?)怪奇現象まみれなクライマックスと共に家の謎が明らかになる。
物件の真実も(ある程度予想は付くとはいえ)見事に伏線を回収し、疑問に答えている。
お化け屋敷の真相や結末も中々に捻ってあって、最後まで飽きさせませんでした。

今作で起こる超常現象は何というか、どれも生臭い感じで気持ち悪い。
壁やシャワー、コンセントとかの穴から黒や白のベタベタ粘液がわき出したり、壁の穴から肉が脈打ったりする様は、下手な残酷描写よりも気持ち悪い。
他にもグロテスクな見た目のお化けが出てきたり(因みにジャケ裏に出てきたのはこのお化け。)、不気味な雰囲気のお色気ショーなど、怪奇現象の見せ方も凝ってて、飽きさせない。
死人も少ないし、血みどろな描写も少ないですが、カッターで身体を切り裂いたり、頭を潰したりと中々気合の入ったスプラッター描写もあります。
兎にも角にも特殊メイクを活用したタイプの見せ場を重視した内容は素晴らしい。
限られた予算の多くを生々ぐにゃゲロ残酷メイク(何それ)に回した制作陣に乾杯!!!!w


前半部分が中々に長かったり、主人公がクズ過ぎたり(それ相応の報いを受けるが)、善良な登場人物や動物(!?)が巻き添えで死んだりするのは気になりましたが、特殊メイクの生々しくて気持ち悪い見せ場に加え、程よく捻りのある展開も楽しめる良作オカルトホラー。

汚い描写や生理的な気持ち悪さを感じる場面も多いので万人にはオススメはできませんが、特殊メイクをメインにした生々しさや重みのある描写が好きな人には中々オススメの逸材です。


いや~やっぱこういう残酷表現や不気味さ演出は特殊メイクを使うに限りますねぇ!
まぁただ単に、俺が未だに80~90年代の映画思想から抜け出せてないだけかもしれんけどね。wwww