西川美和監督の作品はどれも人間の愚かさが表現されていて好き。ゆれる、ディアドクター、永い言い訳など、出てくる登場人物の見栄や嫉妬心に共感して自分の嫌なところを直視させられる感じ。
西川監督の過去の作品は「嘘」がキーワードになっていることが多いように感じる。
しかし、今回の「すばらしき世界」では嘘がつけず、素直過ぎるが故に社会でうまくやっていくことができない三上が主人公という面で今までの作品と対象的に感じる。
ただ、過去作の嘘つきな主人公が人間味があって親しみがあるように、三上もなんとも愛おしくなる人間。強面ですぐに感情的になる人だが優しい笑顔が愛おしく感じる。ムショでの習慣から返事がデカいのも笑ってしまう。
三上を見ていると自分は社会でうまくやっていく術を自然と身につけてきたんだなーと感じたりした。
