まあちん

すばらしき世界のまあちんのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.8
2023年 57本目

予備知識無く鑑賞。

素晴らし過ぎました。
今年見た邦画のベスト作品になると思います。

これまで見てきた中でのベストオブ 役所広司さん。
真っ直ぐな故に直情的に暴力に走ってしまうが、基本はとても良い人ー をもの凄く分かりやすく繊細に演じていて、見ていて彼にどんどん思い入れが深くなっていく。介護施設に勤め始めてからはもう不幸な事は起きないで下さいという気持ちにまでなっていた。
あのラストである。

仲野太賀さんの絶叫と同じ気持ちでした。何故なんだと?

そしてタイトル。
『すばらしい世界』とは何ぞや?
と問い掛けてくる。

仲野太賀さん。素晴らしかったです。
彼が三上さんに付き添ってくれて良かったと思いが生まれる演技。
温泉で火傷の後なのか?虐待なのか?涙を浮かべながら背中を洗うシーン。

六角精児さんがこれまた良くてねぇ。
直情的な主人公を見放さない芝居に涙しちゃいましたよ。

公務員である事で出過ぎないギリな役回りを北村有起哉さんが上手に。

「シャバは我慢の連続ですよ。でも空が広いって言いますよ」と逃がすキムラ緑子さんも印象に残ります。

嫌な役の長澤まさみさん。良いねぇ。
ちょっとだけど安田成美さんも印象に残る。

と集められた役者さん達が皆素晴らしい。

主人公に良い人が集まってくれるのが救いか。
想像するしかない生い立ち。
(でもネガティブなんだろう。)
出所し更正して働きたい彼から見たら様々な理不尽が渦巻いている世界。
突然泣き出す気持ちが分からないでもないんだよね…
介護施設でのあの会話中のハサミのワンカットの怖さ。
花を受け取った後の三上さんの涙。

良い作品に出会える喜び。
まあちん

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