雷電五郎

ホリデイ・イン・ザ・ワイルドの雷電五郎のレビュー・感想・評価

3.5
息子の大学入学を機に夫から離婚をつきつけられたケイトは夫婦で旅立つはずだったセカンドハネムーンに1人で向かうことに…といった冒頭から始まるラブロマンスです。

ケイトが元獣医であったことからアフリカ・ザンビアで象の保護活動に興味を持つという展開がラブロマンスではかなり斬新でした。
本命と言いますか、最終的に訴えたい部分は象の保護活動に支援の手を、というところなのでしょう。生活必需品ではない象牙を獲るために野生の象は密猟で数を減らしており、それは象のみならずサイや他の動物達にも手が及び、現地での保護活動が非常に重要な役割を果たしているという厳然たる事実があります。
こういった作品を入り口に今まで興味のなかった人達が実情を知り、支援を申し出るのならばとても有意義な作品であるとも言えます。

ロマンスパートは静かに熱が高まるような落ち着いた大人の恋愛で素敵でした。
ただ、象やアフリカの自然に関しては良い部分だけを取り出していたので、そこはちょっと不満でした。
夜間に屋根のない車で車中泊などは危険すぎる行為ですし、作中でも言及があったように象は非常に記憶力がよい頭のいい動物ですが、アフリカにおいては非常に危険な動物でもあります。
そのあたりの描写が都合が良すぎた点は否めません。

とはいえ、人間関係のドロドロやわざとらしい喧嘩展開などストレスを与える負の要素がなくストーリー全体は爽やかで好きでした。
象達も可愛く、特に子象が愛らしかったです。欲を言えば、象をもっと見たかったなと(笑)
雷電五郎

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