こぅ

グライド・イン・ブルーのこぅのレビュー・感想・評価

グライド・イン・ブルー(1973年製作の映画)
4.6
久々4回目の鑑賞。

隠れた傑作…オールタイムベスト級秘蔵⁈のレビュー①

ロック・バンド【シカゴ】のプロデューサーであるジェームズ・ウィリアム・ガルシオの生涯唯一の
監督作で隠れた、紛れも無い傑作【アメリカン・
ニューシネマ】。

荒涼とした砂漠で、殺人課刑事を目指してハイウェイを真面目に取り締まる白バイ警官ジョン(ロバート・ブレイク)はハーブ刑事(ミッチェル・ライアン)と知り合い、夢実現へのチャンスを掴むが、
そこにはアメリカ大国の病み、絶望的な現実が待っていた…。

冒頭、味のある古いピアノ曲で始まる衝撃的シークエンスと主人公ジョンが女とベッドで迎える朝の
シークエンス、この、後に物語に絡んでくる2つのシークエンスを経てから広大なアリゾナ州【モニュメントバレー】で実質始まる、ジョンが出勤前に
身支度する、映像がストップするとセピア色に変わるスタイリッシュなオープニング・クレジットまで徹底した【アップ】による撮影が実に素晴らしいの一言。
モニュメントバレーにしろ、ムードがウエスタン
ぽいのは名作【明日に向かって撃て】等の名カメラマン、コンラッド・L・ホールのワーク。

また、この直後の朝礼での警官整列シークエンスの横移動撮影での身長の落差や、中盤でのジョンが
憧れのウエスタンスーツに着替えてビシッと決まるはずのシークエンスでの間抜けなユーモアも垣間見せる。

監督が音楽プロデューサーだけに劇中の選曲センスも抜群。(サントラ付限定版DVDが欲しくなる。)

主人公ジョンと相棒、ジョンのセフレ、憧れの
刑事、友人に見放された老人、主要キャラが部分的絡みを見せ、それぞれの【孤独や悲哀】を映画全体で描き出した脚本が、完璧では無いが秀逸だ。

バーでのシークエンスは、観る者もジョンと同様、絶句するし、その後ハーブ刑事同様否定したくもなる個人的名シークエンスだ。

バイク チェイスシークエンスとジョンがハーブ刑事に抱いていた鬱憤をズバッと吐き出し、言葉KOするシークエンスは誰もがカタルシスを感じるだろう。


が、何と言っても最大の見所はラスト、シカゴの
名曲をバックに、映画史に残る、観る者を突き放すかのような、一度観たら目に焼きつく【衝撃の超絶◯◯◯】だろう。

寂寥な余韻…モニュメントバレー。

モニュメントバレーが映えるなるべく大画面で、、
【本作を観ずに死ぬな‼︎】と言いたくなる。

追伸
えー!2年前に定価で再購入したのに昨年廉価版出ていて今や千円以下でDVD手に入るなんて〜
良い時代。
こぅ

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