Masato

花束みたいな恋をしたのMasatoのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.9

恥ずかしいことに、自分は恋愛未経験なもんで、なーにサブカルオタクぶってんだ美男美女ども。本物のナードは俺みたいなことのやつを言うんだぞ。と偏屈に見ながらも、生活感の描き方の良さに魅了された。

天気の子が公開したとき、実在の地名や商品名などが出てきて、それはステマだ!宣伝だ!と騒ぎ立てて低評価をしている人が沢山いたが、実在のものがたくさん出ていれば、出ているほど、リアリティが増してのめり込めるんでしょうがと言いたい。本作では、数え切れないほどに人名や映画のタイトルや作家の名前やゲームの名前やらが出てくる。だからこそ、そこにリアルな生活感を体感することができ、思わずその時の自分と重ね合わせてしまうのだ。

自分にとっては共感することも重ね合わせられるものもないが、マリッジストーリーよろしく、恋愛とは、結婚とは、生活とはを日本人に寄り添って考えさせられる内容であった。特に、心が貧しくなっていくところは痛感する。やっぱり日本っておかしいよ。日本のゲーム市場を知るゲーマーとしては、パズドラしか楽しめなくなる実情が切実にわかる。

だがらといってリアリティだけでなく、面白おかしくデフォルメされたような作為的なものもあって、非常に良い塩梅で映画が作られており、土井監督の手腕を垣間見れた。

おれも早く恋をしてこの映画を理解してぇー!けど、両親を見ていて思うよ、このくらいで別れるなって。うちはこんなの何千回繰り返しても笑い合ってるぜって。だから、最後の麦のレストランでの言葉はすごくわかるわ。
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