マッコール

花束みたいな恋をしたのマッコールのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.5
坂元裕二の「最高の離婚」が好きで鑑賞。

もう刺さりまくり。
「菅田将暉、有村架純の完璧なカップルを見て感情移入するかっ」となぜか捻くれた姿勢で見始めたが、秒で没入。

趣味や考え方が同じの二人も社会の中で価値観が変わっていく様子が鮮明に描かれている。

男の自分としては会社員になってからの麦に共感しすぎた。
はじめは5時上がりの会社だから好きな絵を描きながら働けると喜んでいたが実際は残業が多く、ブラック(?)な会社だった。ただそこにも責任をもって働きはじめる。

私も今の会社に入るまではワークライフバランスが大事だと思っていたし、定時で上がって仕事終わりの時間を有意義に過ごそうと意気込んでいたが実際は難しい。

個人的に印象的だったシーンがある。会社のドライバーがトラックを海に捨てた後、事務所的なところで後輩と二人きりになり、麦が後輩に仕事とはなんぞやを説こうとしていたら後輩が「そんなもんすかねーおつかれスー」と冷めた感じで帰っていく。
「仕事は責任」と割り切ろうとしている気持ちと「これでいいのか?」とモヤモヤしながらパズドラしている麦が切なくて妙に刺さった。

この映画を観ると別れると噂されているようだが、観る人のタイミングに大きく左右されると思う。
大学生や就活のタイミングの人にはダメージが大き過ぎると思うが、社会人になってから知り合った人と付き合っている私は意外と冷静に見ていたのかも。既婚者が見るとまた違った見かたになるのかもしれない。

しばらく麦と絹が頭から離れなくなりそう。

「最高の離婚」も見直したくなった。