ほーりー

静かなる男のほーりーのレビュー・感想・評価

静かなる男(1952年製作の映画)
4.8
ゾンビ映画の神様ジョージ・A・ロメロが死の間際に、自身が大好きであるこの映画を見ながら旅立ったという。

この映画のラストを観ながら死ねたら、どんなに幸せかと思う。

ラストシーン、ひとりひとり登場人物のアップを映し出されるが、この時の表情が皆それぞれいい。見終わってこれほど多幸感のある映画もそうそうない。

アイルランド移民でアメリカでボクサーとして活躍した男ジョン・ウェインがある出来事を契機に、故郷のアイルランドに帰ってくるシーンで映画は幕が開ける。

何ともこの村の人々が呑気でほのぼのする。

やがてウェインは、村の大立て者ヴィクター・マクラグレンの妹であるモーリン・オハラに一目惚れする。

このオハラのキャラクターが強烈で、まさに鉄火のような性格の彼女は最初はウェインと反発するが、やがて彼女もウェインにひかれていく。

生まれ故郷は同じでも、アメリカとアイルランドの片田舎と別々の環境で育ち、価値観も異なるふたりが、いかに衝突を乗り越えて、答えを出すのか…これが本作の一番の見所。

あたしは、2014年のデジタルリマスター上映に間に合えてホントに幸せだったね。
ほーりー

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