Norisuke

ナイン・デイズのNorisukeのレビュー・感想・評価

ナイン・デイズ(2020年製作の映画)
3.5
魂にがこの世に生まれ落ちる前の世界。ウィルは砂漠にポツンと建つ一軒家に暮らしながら、「この世」に生まれるべき魂の選定を行う業務をこなしていた。ウィルは選ばれなかった魂は消滅してしまう運命にある為、彼/彼女らに美しい思い出をプレゼントすることを常としていた。ある日、ウィルの下にアマンダという女性が自殺したという知らせが飛び込む。アマンダはウィルの選定でこの世に生を受けた魂の一人だった。「何故自殺してしまったのか…」という思いを抱えながら、新たな魂の選定を行うべく候補者となる魂と交流を重ねて…な話。

演劇的な感じで話が進むのでなかなかに難しい物語なれど、魂の選定を行う九日間でウィルがアマンダとの関係性を振り返り、精算していく過程が良かった。「お礼に1番の思い出を見せる」というので魔法的な何かかと思いきや、まさかのアナログ舞台劇風味なのには驚き。でも、自らの手でセットや効果を作り出すウィル達と、それに喜ぶ魂たちの表情はとても柔らかく、美しかった。
ラストの朗読は圧巻。
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