Norisuke

心と体とのNorisukeのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
3.5
ハンガリーのブタペストにある食肉処理工場。品質管理官の産休代理として派遣されたラーツ・マーリアは自閉症でコミュニケーションが上手く取れず、職場に馴染めずにいた。財務部長として働くエンドレは左腕が不自由である為に引け目を感じ、職場では消極的でプライベートな付き合いを避けていた。ある日、牛用の交尾薬が盗まれる事件が発生する。犯人を割り出す為に精神分析医のカウンセリングを従業員全員が受けることになったが、マーリアとエンドレは同じ夢を見ていることが発覚して…な話。

主人公とヒロイン、それぞれの事情で人付き合いが上手くいかないものの、鹿となって森の中を共に彷徨うという共通の夢をきっかけにして少しずつ歩み寄ろうとしていくのが面白い恋愛映画。
自閉症?サヴァン症候群?とにかく何かしらの疾患でやたらとマイルールに固執するヒロインが、鹿の夢をきっかけにして「誰かと触れ合いたい」と思うようになっていくのがよかった。
もう少し鹿の夢が関わってくるのかな?と思ったけど、それも2人だけの秘密になってしまうのも官能的。
食肉加工場が舞台というのもアチラらしく、解体シーンがなかなかにグロい。でも美味しいサーロインになる為には仕方の無い工程だし、そこで働く人達のメンタルヘルスにも気を遣っているのはさすがだなと感じた。
孤独を感じがちな現代人に観てほしい、癒される映画だった。
Norisuke

Norisuke