解像度の高いモノクローム。
ガンマイクを通じて届く音声もクリアに違いなく、人間の心の内だけがブラーブラーブラー。…とかいう対比をさせたかったわけじゃなく、単に撮った映像が綺麗だっただけな気がする。でもなんか白黒が妙にツヤツヤしてんのは慣れなかったな。人生ザラついてナンボですわ（←）。
子どもたちへのインタビューを重ねていたはずのジョニーおじさん、カメラなしで向かい合う甥っ子に面食らうのは偶然ではないはず。スキゾなポーラーベアの資質をジェシーも持っているから、あの子は他の子とちょっと違うから、ではない。死期の近い母をずっとそばで支えた姉妹と意見が対立したのも同じ理由だろう。仕事で対話することと肉親の人生に毎日寄り添うことは違う。
それだけに、ジェシーとの日々を過ごしたあとのジョニーのインタビューが聞きたかった気がする。何人かの子どもたちと同じく、少しく外向けなポジティブを声に出すのか（というかあの子ら、なんか“諦めてポジティブになってる”気がする）、もっと深いところから出る言葉があるのか、発すべき言葉などないという結論になるのか見てみたかった。
ただ、それをすると狙ってやってる感、はいはいそういう映画ね感が出て陳腐になる気もする。むずかしいやね、映画づくりも人生も（←）。でも、そんな陳腐なものを形に残すからおもしろいんだぜ！（←）
うん、自分には映画づくりなんて絶対できないな。
余談だけど、甥っ子との関係性を通して人と向き合うことがどうこうを描いてるけど実の姉 or 妹とあんなにペチャクチャ電話口で話せる時点で「いやもう十分できてるやん!」と思っちゃった半壊家庭出身者は私です。こじらせてる家はそこからして無理やで！
