いやめっちゃいい終わり方!
全体像は完全には見えないながらパズルの最後のピースはカチッとハマるという落とし方は、なぜだか爽やかですらあり。
ファーストカウをファーストカム・ファーストサーブド(早い者勝ち)しようとして窓ガラス割られオヤジがごときバッカモ〜ン!を食らう。という話の筋だけで言えば大したことないんだけど、西部開拓時代の生きることの厳しさと、白人男(ときどきアジア男)であれば誰もが一攫千金の夢を見られる時代の野心の危うさを加味すれば、こういう不穏さと緊張感漂う良作に仕上がるのだと感心しちゃった。
スロウコアな物語、悠然とした風景と、起伏の乏しい作風は人を選びそうだけど、個人的には眠くもならず最後まで見ていられた。だいたいが「そんな欲かいてたら痛い目見るでぇ!」という親のような気持ちだったので、ソワソワ感が妙味なのかな。
とりあえずドーナツの恨みは深い。森よりも、欲望よりも。